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『神の時空 ─倭の水霊─』高田崇史

講談社ノベルス

『神の時空 ─倭の水霊─』高田崇史 ヤマトタケル伝説に隠された悲劇! 巫女の血を引く兄妹が、古代史の真相を解き明かす!

『神の時空 ─倭の水霊─』高田崇史

『神の時空 ─倭の水霊─』 著者:高田崇史
定価:本体 900円(税別)

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OLの涙川紗也(なみかわさや)は、横浜・レンガ倉庫近くで男の死体を発見。現場を走り去った彼女は、容疑者として、警察から追われる身となってしまう。その頃、東海地方では、いつ止むとも知れぬ豪雨が降り続いていた―。一見、無関係に思える二つの現象。だが、背後に蠢(うごめ)く闇の存在を感じた辻曲兄妹(つじまがりきょうだい)が探索を開始すると、一人の古代史上の人物が浮かび上がってきた。その名は、日本武尊(やまとたけるのみこと)……。
著者コメント

『神の時空』第2弾のテーマは、古代の英雄・ヤマトタケルにまつわる謎と秘密その1です。その1ということは、その2、その3があるのかという話になりますが、当然あります。
そして今回はヤマトタケル第1弾として、必ずと言って良いほど彼と共に語られる悲劇のヒロイン「弟橘媛(オトタチバナヒメ)」をメインに据えてみました。戦前は「日本婦女子の鑑」と称えられた彼女の人生は、同時に日本史上有数の悲話として語られています。
ところが調べていくと、一般的に知られている以上の悲惨な事実が、ヤマトタケルと関連して見えてきました。
彼女のその深い悲哀を共有することで、多少なりとも鎮魂に寄与できればと願って書き上げました。
一方、物語はといえば、辻曲家兄妹にまつわる謎、高村皇たちの目的の謎、そしてサブタイトルの暗号(?)なども含めて、みなさまにゆっくり楽しんでいただければと思っています。
ちなみに第3弾は場所を京都に移して、いよいよ高村や磯笛たちの本当の目的が明らかになっていきます。彼らの真の狙いは何なのか。そして摩季の命は? ということで鋭意執筆中ですので、こちらは霜の降りる頃までもう少々お待ちください。

高田崇史(たかだ・たかふみ) 昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に「QED」シリーズ、「カンナ」シリーズ、「鬼神伝」シリーズ(2011年アニメ映画化)、「千葉千波の事件日記」シリーズなど。近作に 『軍神の血脈 楠木正成秘伝』がある。

担当者コメント

 大好評『神の時空』シリーズ第二弾の登場です! 横浜の殺人事件と、東海地方を襲う豪雨。一見、無関係に思える二つの現象。しかし、辻曲兄妹が探索を開始すると、一人の古代史上の人物の名が浮かび上がってくる……。冒頭の殺人事件から緊迫感は最高潮。そして、その背後にある歴史の謎を一気に解き明かしていくという、「高田ミステリ」全開の逸品です。読み終えた時、貴方の古代史観が一変してしまうかも!? もちろん、辻曲兄妹も大活躍しますので、彼らと一緒に「神の時空」を旅して頂ければ幸いです。
 今回、私も一部ですが、取材旅行に同行させて頂きました。しかし、山の上にある神社への道中では、肥満体がたたって尋常ならざる発汗と息切れ。かえって高田先生にご心配をおかけする始末に……。ですが、それだけにこの作品への思い入れはひとしおです。みなさまも、本作を片手に舞台となった神社などをめぐる、そんな楽しみ方もありかもしれません!
『神の時空 ―倭の水霊―』を、どうぞお楽しみに!

スペシャル・マップ 走水神社周辺

走水神社にある弟橘媛が最期に詠んだ歌「さねさし~」の歌碑は必見。本作でも重要な鍵となる歌ですので、ぜひご覧ください。また土地柄、海軍との縁も深く、日本海海戦などで活躍した上村彦之丞提督が寄贈した「機械水雷」なんて珍品も見ることができます。近辺には日本最古の洋式灯台である「観音埼灯台」や、館内のレストランがおいしいと評判でデートスポットとしても人気の「横須賀美術館」があり、デートコースとしても楽しめるかも!?

熱田神宮

熱田神宮では、本宮や別宮はもちろん、境内・境外を合わせると四十五もの社が祀られていますので、事前に参拝する社を決めておいたほうがいいでしょう。もちろん、本作にも出てくる「信長塀」や「清雪門」は必見です。また、近辺の見所として、貯木場を埋め立てて造られた「白鳥庭園」や、東海道唯一の海上路「七里の渡し」の渡船場跡などを見て回るのもおすすめ。昔の名古屋の地形を実感できれば、『神の時空 -倭の水霊-』のおもしろさも倍増です!

『神の時空(とき)─鎌倉の地龍─』特集ページへ 既刊リスト
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