ついに新シリーズがスタートですね! まずは、シリーズの簡単な紹介と、読みどころを、教えていただけますか?
テーマは「怨霊(鬼)と人間」ということで、ほぼいつもの通りです。ただ「QED」や「カンナ」と違う点は、S・F(少し・ファンタジー)っぽいかな。怨霊と対話したりして。でも、単なるオカルト話だと思って読んでいくと、最後で足をすくわれる構造にしました(笑)。
怨霊と対話!? すると、今回のお話の続きで、実際に怨霊と主人公たちが邂逅するわけですか!?
主人公たちだけではありません。あなたの後ろにも……ほら! でもこのシリーズで書く予定なのは、いわゆる「血も凍る幽霊譚」でも「スペクタクル的SF」でも「破天荒なオカルト話」でもなく、「日常的怨霊の謎」(?)、つまり日常の隣りあわせに存在する怨霊の話です。
高田先生にとって、もしくは主人公たちにとって、怨霊とは、どういう存在なのでしょう。
それはぜひ、彼らと一緒に考えてください。「QED」シリーズを読んできていただいた方々も、もう一度改めて「怨霊」について考えていただければと思っています。いずれ、シリーズの後半には明らかになると思います。
今作は「怨霊」がテーマの一つということですが、やはり高田作品といえば「歴史の謎」! 今回のシリーズにも、あっと驚く謎が出てくるのでしょうか?
基本はあくまでも「歴史の謎」です。公になっていない「謎」の深淵に、たくさんの怨霊たちが跋扈しているので。
いったいどうやって、こんな魅力的な謎を発見されているのですか?
たいていの場合、向こう(彼岸)から教えてくれるのです。「早くこれを書け!」と(本当です)。
鎌倉にも、「歴史の謎」や「怨霊」がたくさん潜んでいるということなのでしょうか。
鎌倉に関しては「QED」でも「カンナ」でも取り上げたのですが、書ききれなかったこと(特に怨霊に関して)を書いてみました。ぜひ、この本を手に鎌倉や修善寺を巡ってみてください。実際その通りなんだから(笑)。
そして、何より気になるのが、今後の刊行スケジュール! 次回作の構想はもうできているのですか?
シリーズ全体の流れは、全8作で決まっていますが、次回作に関しては、○○と△△、どちらから先に書こうかな……というところです。でも、どちらにしてもあと2?3ヵ所取材に行かなくてはならないので、そのスケジュール次第です。
なるほど……。ずばり、次回作は何月刊行予定でしょうか?
ずばり、お盆前!
では、最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。
題材は相変わらずですが、主題が今までの作品とは少し違っています。15年も書いてきて少し大人になりました(笑)。また、その主題に関しては、シリーズの半ば頃で気づいていただければと思っています。なので、ぜひとも頑張ってそこまでは(!?)読んでいただけるよう祈念しております。
メフィスト2013 VOL.3 掲載