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『線は、僕を描く』

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『線は、僕を描く』砥上裕將

線は、僕を描く

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『線は、僕を描く』砥上裕將

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介(あおやま・そうすけ)は、バイト先で水墨画の巨匠・篠田湖山(しのだ・こざん)と出逢った。なぜか湖山に気に入られた彼は、その場で内弟子にされてしまう。それに反発した湖山の孫・千瑛(ちあき)は、翌年の「湖山賞」で霜介との勝負を宣言する。水墨画とは筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」。はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで恢復していく。そして一年後、千瑛との勝負の行方は。

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介(あおやま・そうすけ)は、バイト先で水墨画の巨匠・篠田湖山(しのだ・こざん)と出逢った。なぜか湖山に気に入られた彼は、その場で内弟子にされてしまう。それに反発した湖山の孫・千瑛(ちあき)は、翌年の「湖山賞」で霜介との勝負を宣言する。水墨画とは筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」。はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで恢復していく。そして一年後、千瑛との勝負の行方は。

砥上裕將さん一問一答
q 応募先にメフィスト賞を選んだ理由は?
a 締め切りがなくて、分量的にもいけそうで、応募から数ヵ月で結果が分かるというのが理由だった気がします。あと、学生時代の友人がメフィスト賞のファンでそのせいで馴染みがあって、送ってみようかなと思いました。
q 受賞を知ったとき、最初に思ったことは? その後、まずしたことは?
a 電話をいただいて最初に言ったのは担当の編集者さんに向けた「よかったですね」だったと思います。それは、実際に一番最初に思ったことでした。メフィスト賞っぽくない作品を座談会に推していただいていたので。でも、その直後に、「受賞したのは自分だ! はっ⁉」みたいな気持ちになって、「ありがとうございます」とひたすら言っていました。受賞を聞いた瞬間に、テンパっていたのかもしれませんね。だから感謝と混乱と嬉しさ、という感じでした。その後、部屋をウロウロして、ベランダに出て小さな椅子に座りました。「生きてると、たまにはいいこともあるなあ」と思いました。晴れた暖かい日だったのでよく覚えています。
q 受賞の知らせを聞いたのはいつ、どこで?
a 自宅で、午後だったと思います。いつも、メールをいただいてから電話がかかってくるのに、突然、電話が鳴ってビックリしました。着信が誰からか見て、瞬時に、自分が何かやらかしたのかも知れない、と妙な不安に駆られて、緊張したまま通話ボタンを押しました。

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砥上裕將(とがみ・ひろまさ)
プロフィール
砥上裕將(とがみ・ひろまさ)

1984年、福岡県生まれ。水墨画家。
温厚でおだやか。お年寄りの趣味と思われがちな水墨画の魅力を、小説を通して広い世代に伝えたいという志をもって、本作品を書き上げた。ウイスキーにジャズ、そして猫を心から愛する。

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第59回メフィスト賞座談会

満場一致! 『線は、僕を描く』が第59回メフィスト賞受賞作に決まった、選考座談会を特別掲載!

満場一致! 『線は、僕を描く』が第59回メフィスト賞受賞作に決まった、選考座談会を特別掲載!

満場一致の感動作 これがメフィスト賞だ!!

※応募時のタイトル

今回の最後は『黒白の花蕾』です。
『灰色猫と結婚前夜〜地上戦〜』というネコの小説で初投稿、次が『肋骨レコードの回転』。これが3作目になります。青山君という男のコが水墨画を通して成長する。すごくシンプルなお話です。主人公の恢復(かいふく)と水墨画に関わる人々、それから水墨画自体についての物語です。「読む水墨画」というか、絵を、こういうふうに見ればいいんだなとか、こういうふうに描かれているんだなと感じさせる側面もありますし、物語として非常に清々しい。ご本人が水墨画を描く方なので非常に説得力もあるなと思っています。メフィスト賞らしくないかもしれないという点が気になりますが、ぜひ刊行をと思ってます。
すごくよかったです。メフィスト賞なんだから誰か死ぬのかな、とか幻の水墨画とか出てくるのかな、とか思いながら読みましたが、最高の青春エンタメでしたね。
すごい傑作です……! この2、3ヵ月読んだ全小説の中でトップクラスに面白かった。全編通して主人公の実感が描かれているんですよ。筆を持つってどういう感じなんだろう、墨をするってどう感じるんだろう、絵が描かれたときにどう感じるんだろうっていうことが徹底的に書かれてあって、これはまさに小説だからこそできることだ、と。成長物語としても素晴らしいです。『ピアノの森』や『羊と鋼の森』、最近のマンガだと『ロッキンユー!!!』とか『ブルーピリオド』とか、そういう新しいことに入っていくときの感覚って普遍的だということがわかるお話です。

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『線は、僕を描く』公式サイト

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担当コメント

喪失を抱いた青年が、水墨画を通して恢復する。つきつめればこの一文になる物語が、驚く ほど熱くせつなく胸に迫ります。この物語の主人公は、青山君という青年であり、水墨画と いう芸術であり、描かれる森羅万象すなわち命そのものでもあります。普遍的なテーマを 水墨画を介して青春小説に仕立てるという、企みのある作品といえるかもしれません。 今作を読むのに水墨画の知識は必要ありません。でも読了後には、見てみたくなると思い ます。とんでもない才能が、またメフィスト賞から登場です。ぜひ、ご一読ください。

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『線は、僕を描く』あとがきのあとがき ▶

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