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『電気じかけのクジラは歌う』

講談社ノベルス

『電気じかけのクジラは歌う』
あらすじ

『電気じかけのクジラは歌う』

逸木 裕


ヒトはもう、創作らなくていい――

人工知能が個人にあわせて作曲をするアプリ「Jing」が普及し、 作曲家は絶滅した。
「Jing」専属検査員である元作曲家・岡部の元に、残り少ない現役作曲家で親友の名塚が自殺したと知らせが入る。そして、名塚から自らの指をかたどった謎のオブジェと未完の新曲が送られてきたのだ。名塚を慕うピアニスト・梨紗とともにその意図を追ううち、岡部はAI社会の巨大な謎に肉薄していく――
私達はなぜ創作するのか。この衝動はどこから来るのか
横溝正史ミステリ大賞受賞作家による衝撃の近未来ミステリー!
逸木 裕さん 一問一答 逸木 裕さん 一問一答
Q 2016年に第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、『虹を待つ彼女』でデビューされましたが、作家を志したのは何歳の頃からですか?
A 小説を書いてみようかと思ったのは小学6年生のころ、国語の授業で「あなたも小説を書いてみましょう」という課題を見たときです。本や漫画を読むのはそのころすでに好きでしたが、「ああそうか、小説って自分で書くこともできるのか」と発想の転換が生まれ、書いているうちに小説家になりたいと思うようになりました。
Q 初めて「小説」を書いたのはいつ頃でしょうか? どんな作品だったかも秘密でなければ教えてください。
A 中学1年のころです。
私立探偵事務所に入った少年と少女が、とある資産家が殺された殺人事件の謎を追うミステリ小説で、雇ってくれた私立探偵が犯人というオチでした。原稿用紙200枚くらいを手書きで書くというものすごいバイタリティを発揮し、集英社の「少年ジャンプ小説・ノンフィクション大賞」というところに送りましたが、あえなく一次予選落ちでした(審査員が大沢在昌先生、栗本薫先生、高橋三千綱先生という豪華メンバー)。コピーも取ってないのでこの世からは消滅してしまっています。

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逸木 裕

逸木 裕(いつき・ゆう)

1980年東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒。フリーランスのウェブエンジニア業の傍ら、小説を執筆。2016年、『虹を待つ彼女「虹になるのを待って」を改題」』で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。他の著書に『少女は夜を綴らない』『星空の16進数』がある。

担当編集コメント 担当編集コメント

「完全なある物を創作しようとする努力ほど、心霊を純潔ならしめるものはない」
ルネサンス期の画家・ミケランジェロの言葉です。 このように創作とは、ひらめきや人間性を必要とする、ヒト固有のものだと言われてきました。 ですが、私達はAIが何を成し遂げてもおかしくない時代に生きています。
もし、AIが人よりも美しい創作をできるようになったとき――私達は何のために創作をするのでしょうか?
この作品は、こんな問いに逸木裕さんが全身全霊で向き合った作品です。
小説家でもあり、ウェブエンジニアでもある逸木裕さんが悩み苦しんで出した答えを、 どうかその目で確かめてください。

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