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『聖地巡礼』真梨幸子/『シンフォニック・ロスト』千澤のり子|講談社ノベルス

講談社ノベルス

女性作家ミステリーバトル2011 肉食女子ミステリー ←あなたはどっち?→ 草食男子ミステリー 『聖地巡礼』真梨幸子  パワースポット?!様々な気が渦巻く“そこ”は事件がいっぱい! 『シンフォニック・ロスト』千澤のり子  吹奏楽部内でカップルができると片方が死ぬんだって。
不可思議な力が漲るパワースポット。
人々は眼に見えない何かにすがり、そこを訪れる。だが、得られるのは善のエネルギーだけでなかった。どうしようもない状況に置かれた女たちが、自らの業ゆえなのかはたまた運命なのか、パワースポット絡みの事件に巻き込まれてしまい……。幸運を引き寄せてくれるはずの場所が連れてきたものは災難ばかりだった!? 北園中学吹奏楽部2年、泉正博。ホルン奏者の自分の夢は一つ「うまくなりたい」。それだけを目指しひたすら吹く。“夢の舞台”演奏会はもうすぐ……。だけど部内で囁かれていた「カップルができると片方が死ぬ」という噂通りに先輩が謎の死を遂げてしまった。恐怖で部員たちの気持ちはバラバラ、音楽どころじゃない。それどころか皆の疑いの目は、死体を発見した自分に!?

著者コメント

真梨幸子さん

「パワースポット」といえば、「パワー」をいただくところ。でも、それだけかしら? という疑問が、今回の作品のテーマです。パワーをもらいすぎてもその人の器に合わなければかえって体調を崩すだろうし、逆にパワーを吸い取られることもあるんじゃないかしら? と。
たとえば、オーラをギンギンに放出している人がそばにいると、こちらのエネルギーが吸い取られるような気分に陥ることはありませんか? それと同じで、パワーが漲っている場所に下手に近寄ると、こちらのパワーが奪われるような気がするんです。
タダより高いものはない、ではありませんが、タダでパワーがもらえる、と思って気楽な気持ちで行くと、足を掬われるかも? そんなことを思いながら、作品を楽しんでくださいませ。

プロフィール

真梨幸子(まり・ゆきこ)

1964年生まれ。2005年『孤虫症』にて第32回メフィスト賞を受賞しデビュー。その後も精力的に執筆活動を続ける。女たち特有の世界に、人間の業や執念を潜ませた真梨流ミステリーとしてファンを増やす。そのほかの作品に『深く深く、砂に埋めて』『ふたり狂い』など。2010年に発表された『更年期少女』がその独特の世界観などで話題に。今もっとも注目される気鋭の女性作家である。

千澤のり子さん

前作は小学校が舞台だったので、今作はちょっと大人になって中学校を舞台にしました。主人公は、校舎のあちこちで練習をする吹奏楽部員です。
「青春なのに熱さが足りないんですよ!」
「スクール☆ウォーズの主題歌でも歌ってきます!」
度重なる書き直し、深夜の打ち合わせ、朝までの作業……。
いろんな初恋の形も出てくるほど、登場人物たちはどんどん熱くなっていきました。

それでもドライのままだったのは、なんと肝心の主人公・泉正博。何でこの人、この状況下でも楽器に打ち込めるのでしょうか。作者にもわかりません。おそらく理由なんてないのです。きっと、それが青春なのでしょう。
はたしてこの奇妙な青春を操っているのは、事件なのか、吹奏楽なのか、それとも別の何かなのか――? 
答は読者のあなたのみぞ知る! かもしれません。

プロフィール

千澤のり子(ちざわ・のりこ)

1973年、東京都生まれ。専修大学文学部人文学科卒。2007年、宗形キメラ名義で二階堂黎人氏との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』を発表。2009年、『マーダーゲーム』でソロデビューを果たす。また別名義で、評論ライター・シナリオライター活動を行っている。

担当者コメント

聖地巡礼

『孤虫症』で衝撃的なデビューをし、その後も精力的に執筆を続けてきた真梨さんが講談社ノベルスに初登場です。今回は史上初?! パワースポットミステリーです。良いところばかり取り上げられるパワースポットですが、実はもっと陰の力も漲っているのかも……と思わせられるような、連作短編集となっております。ぜひご一読下さい!

by T
シンフォニック・ロスト

みなさんは最近、一つのことに情熱を燃やしましたか? 忙しさのあまり、その熱い気持ちから遠ざかっていた方にこそ読んで欲しいのが、この『シンフォニック・ロスト』という青春小説です。定期演奏会を前に猛特訓を続ける吹奏楽部の中学生たちの姿をぜひご覧ください。必ずや胸が熱くなることでしょう。ですが、その感動のさなかにやってくる、大どんでん返し! 千澤のり子さんの巧みな仕掛けは絶品です!!

by P

立ち読み

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一問一答

今作の着想のきっかけは?

担当様に「パワースポットをお題に、書いてみませんか?」とご提案をいただいたのがそもそものきっかけです。オカルトは大好物なので、もちろんソッコーで飛びつきました。

年上のお友達がウェブ日記で書かれていた、ちょっとした日常の不思議をそのままメイントリックに使用しています。

○○な人にこそ読んでもらいたい!

「パワースポットってすごいよね!」な肯定派と、「パワースポットね……(苦笑)」な否定派。

「リア充死ね」と思っちゃうような、人生に疲れてる人に読んでもらいたいです。

今作の中で、お気に入りのキャラクターは?

お気に入りの登場人物は作らないようにしているのですが、強いて言えば、「ドッペルゲンガー」に登場する芸者さんたち全員。

サックスの今井加奈子。


ここだけは誰にも負けない今作のポイントは?

「どうして、こんなことに……?」という不条理と、もやもや感。

メイントリックです。


今作を四字熟語でたとえると。

玉石同砕(善人も悪人も、賢者も愚者もすべて滅びること)。

故事来歴。


作品について◎ ○ △ ×でお答えください。

コワい? ◎
エロい? ×
泣ける? △

コワい? △
エロい? ×
泣ける? ○

真梨さんお勧めのパワースポットを教えてください。

パリ、ルーヴル美術館のガラスのピラミッド。ここは、なにかすごいです! 壮大な秘密が隠されていそう。

パワースポットに纏わる体験談を教えてください。

都内で超人気のとあるパワースポットに取材に行ったときのこと。その日の夜、足先に奇妙な真っ黒いものが! 昨日までなかったのに! 血豆か?とも思いましたが、痛くも痒くもありません。もしかして、悪名高い例の病気? と顔面蒼白になり、翌日、病院に駆け込みました。「うーん、なんだろうね、これは?」と困惑顔のお医者様。「1ヵ月様子を見て、消えなかったら、切りましょう」と言われて、再度顔面蒼白。……遺書まで書いて悶々とした日々を過ごしましたが、1週間経つと、きれいに消えました。あれは、なんだったのでしょうか? 「一日一日を大切に」というメッセージだったのでしょうか? 確かに、健康のありがたみを改めて教わった1週間でした。

千澤さんお気に入りの楽曲は。

サンチェスの子供たち。


その曲に纏わるエピソードを教えてください。

中1のときの定期演奏会で吹きました。当時の2年生たちのソロがすごくかっこよかったのですが、その裏でメインメロディを支えるバスクラリネットに感動しました。リズム打ちでもソロに負けないくらいの存在感があり、こんなに綺麗な音をしていたっけ、とびっくりした記憶があります。楽器は違えど、作中に出てくる「いつまでも一緒に吹いていたい」奏者で、その人がいなかったらこの物語は生まれなかったです。

140字以内でつぶやいてください。

去年、ツイッターをはじめたのですが、140文字ではどうしてもおさまらず、毎回、長文を分割して投稿していました。つぶやきのはずが、どうしても熱弁に。私には、「つぶやき」というのは、どうも合わないようです。ということで、3ヵ月ももたずに撤退。フォローしてくださった方々には本当に申し訳

(※途中ですが、140文字超えましたので、ここで中断します)

ツイッターやってます。IDはnoriko_cです。不思議の国のアリスグッズを集めています。カラオケ大好きです。Sound Horizonをよく歌います。いつもおうちにいますがお片づけが苦手です。最近ジムに通っています。アスリート並みに筋肉質みたいです。140字って意外と長い……。

作家になって良かったことは?

『密室本』【メフィスト巻末編集者座談会】(非売品) をいただいたこと。

評論家の千街晶之さんに文庫解説を書いてもらえる可能性ができたこと(実現するといいなあ)。

無人島に1冊だけ講談社ノベルスを持って行くことができます。さて、何?

『密室本』【メフィスト巻末編集者座談会】(非売品)

『マーダーゲーム』……と言いたいところですが、中西智明『消失!』です。

好きな女性作家は?

エミリー・ブロンテ。


たくさんいますが、好き歴の長さで立原えりかさん。

好きな本、オススメ本は?

バルザックの『幻滅』。19世紀フランスを舞台にした、出版業界残酷物語!

今の気分で1冊だけ。
高野和明『6時間後に君は死ぬ』。
二話目の「時の魔法使い」のある部分が好きすぎます。自分を好きになろうかなあと思える作品です。

今後書いてみたい題材、テーマを教えてください。

オカルト全般(予言、不思議、都市伝説、超常現象などなど)、歴史もの。

少年犯罪、妖精、魔女狩り。


読者の方にメッセージを。

おかげさまで、「イタミス」(痛いミステリー)とか「ドロミス」(どろどろのミステリー)などの肩書をいただいております。今年は、「オカミス」(オカルトなミステリー)というキャッチも欲しいかな……などと、野心に燃えております。「レキミス」(歴史ミステリー)とも呼ばれたい! ということで、今年もよろしくお願いいたします。

どんな本でも、読んでいる間は充足した時間を得ていると思います。良い時間を費やしたなあと思ってもらえることが、作者にとっていちばんの喜びです。どうぞ、そんな1冊に、本書がなれますように!

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