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講談社ノベルス

『絞首商會』夕木春央

『絞首商會』

著者:夕木春央

発売年月日:2019/09/19単行本

第60回メフィスト賞受賞作

昭和・平成のミステリの技法をフル装備し、乱歩デビュー前の大正時代半ばに転生して本格探偵小説を書いたら……。そんな夢想が現実のものになったかのような極上の逸品。
この作者は、令和のミステリを支える太い柱の一つになるだろう。

――有栖川有栖

大正の東京。秘密結社「絞首商會(こうしゅしょうかい)」との関わりが囁かれる村山博士が刺殺された。不可解な点は三つ。遺体が移動させられていたこと、鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、解決を依頼されたのが以前村山邸に盗みに入った元泥棒だったこと――。頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野(はすの)が見つけた四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだった――

担当コメント

この新人、只者ではない。
初めて投稿原稿を読んだ日から、ずっと変わることなく抱き続けていた思いです。第60回メフィスト賞受賞作『絞首商會』は大正時代を舞台にした本格ミステリです。どうしても編集者という仕事をしていると、「大正ロマンってこんな感じだろうか」「ミステリならこの辺りに落としてくるはず」などという、予断を抱いてしまうことがあるのですが、夕木春央さんはこちらの想定など一顧だにしません。しかし、読者を置いていくことなく「こういう小説が面白い」という信念を真正面からぶつけてきます。ブレないのです。そして、必ずうならせて楽しませてしまうのです。『絞首商會』はデビュー作にして400ページ。ものすごく親切な小説でもありません。それでも迷いなく言えます。第60回メフィスト賞を受賞した夕木春央さんは、要チェックです。