創立130年の全寮制の女子校である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり規律に厳しいことで地元では有名だった。さらに同校には特徴的な「マザー制度」というものがある。3年生を「マザー」、1年生を「チャイルド」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。入学式の3週間前、早々に同校にやってきた一之瀬茜は、家庭に居場所がなかった。一人で生きていくことを誓っていた茜はしかし、マザーである緑川桜子にかわいがられ、とまどう。そんな茜の周りである日不審な事件が起きた。茜と桜子、ルームメイトの真琴と千尋の4人は事件をきっかけに自分たちの運命と向き合うことになって……。
担当者コメント
『誰かが見ている』(2017年)で第52回メフィスト賞を受賞した宮西真冬さん。続く『首の鎖』(2018年)でイヤミス的世界観を確立させました。どちらの作品も幸せを願いながらも追い詰められる女性が主人公でした。今作でも閉ざされた空間で少女たちが追い詰められていきます。ただ、この物語では希望の光が示されています。それがどんなものなのか、ぜひ手にとってご覧ください。