巨人の侵攻をも感じぬ壁の最奥、ウォール・シーナの中で安穏と暮らす貴族たち。
そこで育った憲兵団大将の末娘、ロザリー・デュマルクは壁の向こうに思いを馳せていた。
彼女は父の制止を振り切り、巨人との戦いの最前線、トロスト 区駐屯兵団へと入団する。
そこで彼女を待ち構えていたのは、ヴェールマン隊長が指揮する堕落した駐屯兵団と、駐屯兵団最強にして、孤高の兵士ジャックスによる理不尽なまでのしごき、そして雪の日にのみ現れ 兵士を屠る、伝説の奇行種ゴブラーの襲撃だった。
苦難を乗り越え、自らの居場所を手に入れつつあるロザリー だったが、彼女の前に、人類を絶望の淵へとたたき込む超大型巨人が再び姿を現す……!
アメリカで産まれた『進撃の巨人』のあの日の物語が、海を渡り日本に凱旋!
諫山 創(いさやま・はじめ)
漫画家。2009年より「別冊少年マガジン」にて『進撃の巨人』の連載をスタート。瞬く間に大ヒットとなり、2011年、同作で講談社漫画賞少年部門を受賞。アニメ化、映画化、ゲーム化、様々なイベントとのコラボレーションなど、『進撃の巨人』の世界は広がり続け、2018年にはハリウッドにて実写 映画化されることが発表となる。
紅玉いづき(こうぎょく・いづき)
石川県出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を 受賞しデビュー。ライトノベルにとどまらず、児童書、一般文芸書でも精力的に作品を発表。 繊細な人物造形、巧みなストーリーテリングで、更なる活躍が期待されている。著作に「大正箱娘」シリーズ(講談社タイガ)、『ガーデン・ロスト』(メディアワークス文庫)、「サエズリ図書館のワルツさん」シリーズ(星海社FICTIONS)、「ようこそ、古城ホテルへ」シリーズ(角川つばさ文庫)などがある。
2016年頃、海外でも大人気となっていた『進撃の巨人』のオリジナルストーリーをアメリカで出版したい、という企画が持ち上がりました。執筆者として白羽の矢が立ったのは、アメリカのヤングアダルトファンタジー界で注目を集めており、ご自身も『進撃の巨人』の大ファンで あるという人気作家のRachel Aaronさん。
原作『進撃の巨人』を刊行する週刊少年マガジン編集部の協力も得て、彼女が書き上げた『GARRISON GIRL:AN ATTACK ON TITAN NOVEL』は、ウォール・シーナ中で暮らす、憲兵団大将の貴族の娘ロザリーと、駐屯兵団の孤高の兵士ジャックスのラブロマンスであり、青春小説であり、超大型巨人が再び現れたトロスト区駐屯兵団、あの日の物語でした。
アメリカで出版されたこの小説のクオリティがあまりにも素晴らしく、あり得ない速度で、日本への逆輸入――翻訳・出版が決定。その日本語版のオファーを、Rachelさんと同じく、日本国内でもトップクラスのファンタジー小説家であり、恋愛小説の書き手でもある、紅玉いづきさんにご快諾いただきました。
その際に、ただの翻訳ではなく意訳をし、紅玉さんならではの物語として出版することについて、アメリカでの権利元のKODANSHA USA PUBLISHINGと打ち合わせを行いました。
そうして産まれたのが、この『進撃の巨人 果てに咲く薔薇』です。
凄惨な世界に産まれながらも、貴族として花の如く大切に育てられたロザリー。彼女が背負うのは、駐屯兵団の誇りである薔薇の紋章。彼女が守った人類の行く末を、原作漫画とともにお楽しみください。