著者:似鳥 鶏
発売年月日:2018/9/20単行本
定価:本体1,600円(税別)
よく「叙述トリックはアンフェアだ」と言われてしまいます。これが叙述トリックというものの泣きどころです。
では、アンフェアにならずに叙述トリックを書く方法はないのでしょうか?
答えはノーです。最初に「この短編集はすべての話に叙述トリックが入っています」と断る。そうすれば皆、注意して読みますし、後出しではなくなります。問題は「それで本当に読者を騙せるのか?」という点です。最初に「叙述トリックが入っています」と断ってしまったら、それ自体がすでに大胆なネタバレであり、読者は簡単に真相を見抜いてしまうのではないでしょうか? そこに挑戦したのが本書です。果たして、この挑戦は無謀なのでしょうか? そうでもないのでしょうか? その答えは、皆様が本書の事件を解き明かせるかどうか、で決まります。
(「読者への挑戦状」より一部抜粋)
担当者コメント
都内某所で似鳥さんとご飯を食べながら、雑談の中で「『叙述トリック殺人事件』というタイトルの本を出したいんですよね~、最初から、叙述トリックが使われています、と断って物語を書くと、読者は騙されるんでしょうか?」と盛り上がりました。そんな僕の妄想を見事なまでに形にしてくれたのが本書! まさか、アレがアアなったり、コウなったり、まさかソウなってるなんて……。スッキリ見抜くもよし、気持ちよく騙されるもよし、前代未聞の短編集。漫画家・石黒正数さんの手によるカバーと帯にも仕掛けがあるので大注目です!