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『人間に向いてない』 黒澤いづみ
ningen_muitenai
小島慶子さん推薦!!
  • 黒澤いづみさん 一問一答
  • 書店員さんコメント
  • 担当者コメント
  • メフィスト賞 座談会
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作中に登場する、田無美晴の日常をつづっています。
虚構と現実がいりまじる世界。冒頭の試し読みもデジタルポストでお読みいただけます。フォローお願いします!

このタイトルにビビッときたあなた。さて、一体、誰が、一番人間に向いてないのでしょうか?
『人間に向いてない』

『人間に向いてない』
著者:黒澤いづみ
定価:1500円(税別)
2018年6月14日発売

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体と比べてわりあい大きな丸い頭部。側面には複眼があり、蟻のように頑強そうな顎を持っている。頭部から下は芋虫と似ていた。異なるのは、百足のように無数に備わった脚だろう――(本文より)
ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人たちばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた引きこもりの息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか?

体と比べてわりあい大きな丸い頭部。側面には複 眼があり、蟻のように頑強そうな顎を持っている。頭部から下は芋虫と似ていた。異なるのは、百足のように無数に備わった脚だろう―― (本文より)
ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人たちばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた引きこもりの息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか?

Profile

黒澤いづみ Izumi Kurosawa
福岡県出身。本作で第57回メフィスト賞を受賞し、デビュー。

Profile

黒澤いづみ Izumi Kurosawa
福岡県出身。本作で第57回メフィスト賞を受賞し、デビュー。

黒澤いづみさん 一問一答

応募先にメフィスト賞を選んだ理由を教えてください。

まず、『面白ければ何でもあり』の尖った賞であること。次に、編集者に直接原稿を読んでもらえる持ち込みの賞であること。自分の書いたものが果たしてどこまで通用するのか、あわよくば「もうちょいで座談会」に引っかかって一言でもアドバイスをもらえたらなあという気持ちでした。

受賞を知ったとき、最初に思ったことは何でしょうか。

最初に出先で連絡をいただいたときには完全に舞い上がっていましたが、かけ直しを待っている間に冷静になりすぎてしまい、あとはずっと恐れおののいていました。「メフィスト」の座談会に掲載されるまで「本当か?」という気持ちが拭えませんでした。

今作を四文字熟語でたとえてみると何でしょうか。

パッと思い浮かんだのは「魑魅魍魎」。もう少し真面目に答えると「因果応報」でしょうか。

作家を志したきっかけを教えてください。

昔から漫画家・小説家・ゲームクリエーターのどれかになりたいなと考えていました。小学生の頃までは漫画家を目指していましたが、中学生になって「小説という表現が自分に合っている」と感じたのがきっかけかなと思います。

初めて「小説」を書いたのはいつ頃ですか? またどんな作品だったか、教えてください。

確か小学校低学年の頃に書いた『ありがとうを奪え』とかいう話が最古だと思います。
「ありがとう大王」のナントカくんがクラスを牛耳っていて、主人公はその独裁者を引きずり下ろすために次なる「ありがとう大王」を目指し善行を積む……みたいな話でした。
誰かを助けると「ありがとう」票を一票もらえて、票を多く獲得した者が「ありがとう大王」として君臨する仕組みです。そんなわけで困っている人を見つけたら競い合って助けるのですが、助けられる人にとってはありがた迷惑になるのでした。いろいろあって「ありがとう大王」制は廃止され、主人公とナントカくんが和解してハッピーエンドだった気がします。めでたしめでたし。

メフィスト賞受賞作で一番好きな作品を教えてください。

真梨幸子さん『孤虫症』。

影響を受けた作家と作品を教えてください。

小野不由美さん『屍鬼』
村社会のリアリティもさることながら、登場人物があれだけ多いのにもかかわらず、ひとりひとりが血の通った人間として物語の中で生きていることが素晴らしいと思います。
小説を書く際に、作中人物を「キャラクター」ではなく「ひとりの人間」として描写したいと思うようになったきっかけでした。

最後に、読者の方々に一言お願いします!

まず本作を読んでみようと思ってくださる方、ありがとうございます。そして最後まで読んでくださったという方には本当に感謝です。それだけでなく感想を述べてくださる方には深謝申し上げます。さらに本作をどなたかに薦めてくださるなんて、恐悦至極に存じます!
物語をどのように読み解き、どのように感じていただけるかは、読んでくださった方だけのオリジナルの体験だと思います。それを共有していただけると、書き手としては嬉しい限りです。
どうぞよろしくお願いいたします。

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書店員さんコメント

全国の書店員さんから熱烈な感想が殺到!新人のデビュー作にもかかわらず、その数40通以上!!!

読者一人一人に「どう感じましたか」と問いかけてみたくなる。おぞましいと思うのか、そこに自分自身の物語を見るのか。この物語を必要とする、すべての読者に「届いてほしい」と願ってやみません。おそらくきっと、この作品は賛否両論になるでしょう。響く人には響き、そうでない人にはかすりもしない。けれど、読み終えたなら語らずにいられない。 丸善 丸広百貨店東松山店 本郷綾子さん

後を引く話だった。しかも後味最悪。
いつもは「POPにするなら……」とか「客層は……」とか読みながら考えたりするんですが、久しぶりに夢中で読みました。大好き。
変形の育児書だった。「親になったらまず一冊!!」みたいな。
ハッピーエンドなんだけれど普通に大団円、と行かない所も好き。
変な設定なのにリアルでした。
大垣書店 ビブレ店 金本里美さん

不気味なもの見たさ、巧みなストーリーで最後まで一気読みしました。
素晴らしい作品でした。
富士書房 大久保店 川上泰弘さん

『私はこんなにも挑発的で挑戦的な作品を知らない。出会えた事に感謝したい!!』
親、社会から無謬的に押しつけられる「普通」って? 何? 誰のため? 本当に正しいのか? と深く考えさせられました。そして同時に、どうして人間はこんなにもワガママで醜い生き物なんだろうかと暗澹たる気持ちに支配されました。
こんなにも容赦なく、加害者、被害者、当事者たちをリアルにそして残酷に目を背けずに描き切った黒澤さんの今後が末恐ろしいです!!
喜久屋書店 東急プラザ新長田店 松本大さん

気味が悪いのにあっという間に読んでしまいました。
人間でなければ……と思ったことがあるだけに、読んでいるだけで胸が苦しくなります。今の若者の苦しい胸の内が描かれていて、どんな年齢の人にも胸につきささりそうな小説でした。
丸善 岐阜店 大野久美子さん

親子だけでなく様々な人間関係が書かれ、誰しも人ごとでない物語。
たくさん傷つけてしまったであろう自分の子育て。都合よく見たいものしか見ずにいた私もこの中にいました。
ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店 大江佐知子さん

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担当者コメント

普通に生きることが一番難しいと思ったことはありませんか?
社会のシステムに馴染むのが苦しいと思ったことはありませんか?
自分が「人間に向いてない」と思ったことはありませんか?
誰かのことを「人間に向いてない」なと、一瞬でも思ってしまったことはありませんか?
そんなあなたにこそ、読んでほしいのです。
この物語には、社会の闇や人間の醜さが、嫌というほど描かれています。
でも最後まで読んでほしいのです。
心を揺さぶるラストに、涙するはず、です。
引きこもるそのドアの内側の、声なき声の叫び、作者の叫びを聞いてください。
感想をお聞かせ下さい。そして語り合いたいです。

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メフィスト賞座談会

メフィスト賞座談会

編集部員満場一致でデビューが決まった、新人賞選考会の様子をまとめた「メフィスト賞座談会」を特別掲載!

圧倒的リーダビリティ!
新たな才能の出現!

※「寅」や「N」は編集部員を表します。

キャッチコピーは「『人でなし』の価値を問う」です。

N 異形性変異症候群という、何の予兆もなく、ある日突然発症して一夜のうちに人間が異形の姿に変貌する病が数年前から国内に蔓延してるという、日本が舞台なんですけど。この病気は十代後半から二十代の社会生活から逸脱した『社会的弱者』と呼ばれる立場の若者ばかりが発症するんです。この病気にかかってしまうと、不治の病として扱われ、患者は法的に死亡したものとして人権一切が適用されなくなるというから恐ろしい。主人公は五十代の女性で、高校を中退しひきこもりになってしまった息子の部屋をある日訪れたところ、部屋にいたのは巨大な虫に変わり果てた息子の姿だったという衝撃的な場面から物語は始まります。イモムシのような姿でムカデのように足がびっしり生えていて、その足は全部、人間の指でできているみたいな。異形のものに変わり果ててしまった息子を様々な葛藤を抱えながらも少しずつ受け入れていく主人公と理解のない夫との溝はどんどん深まっていきます。不条理な生活の中で、人間の闇に直面していく女性を丹念に描いていく物語です。私が一番いいなと思ったところが、最後に母親と息子が対峙する場面なんですけど、実は泣きました。人間が虫になっちゃう異形な現代ホラーなのに涙するってすごくないですか!? 冒頭から母親目線でずっと共感して読むんですけど、共感すべき対象というのが実は全然違っていたということに最後気づかされるんですね。読者側でいる自分というのが、物語の外の傍観者じゃなくて、いきなり物語の共犯者に引っ張り込まれるみたいな、そういったところが作者の力だなと思いました。これは大傑作です! 皆さんの感想を早く聞きたいです!!

読み始めたら、最後まで一気に読ませるストーリーでした。異常な状況でも日常が淡々と続いていることの面白さがあります。ただ、そうした日常のリアリティに比べ、社会のリアリティには欠けている気がしました。奇病をあっさり受け入れている感じがするのです。また行政の対応や民間でのNPO活動など、周囲の状況にもリアリティがあればなと思いました。とはいえ、受賞に反対するものではありません。面白い作品だと思います。

好き嫌いの分かれる作品なんだろうなと思いながらも最後までぐいぐい読みました。本になって全然おかしくない作品だなという魅力を感じましたよ。僕自身は、これまでの人生で関わってきた人に、ひきこもりの人とか難しい人生を送っている人がなぜか多くて、読みながらすっごい辛かったです。ただ、この小説は読者の気持ちをつかんで、なおかつそれをちゃんと小説の中で完結させる。読者に返して終わるというやり方をしないんで、簡単に傑作と言っちゃいけないと思うんですけど、僕はこの小説を読んでとってもよかったなあと思いました。で、オチもすごくよかったと思いました。心持ってかれましたね。

引き込み方がうまい! あまりに突飛な病気の設定だと思ったんですが、現代社会を映す鏡なんですよね。ストーリーを追うごとに家庭を持つ私自身にもどんどん問題が突きつけられていくんです。最後まで読み手を飽きさせず、それでも丹念に描く能力は素晴らしい。主人公以外の家族模様の出し方が構成に少し混乱を与えるような気がするので、それらをうまく活かせるよう再構成が必要かもしれませんが、ただただすごい才能が現れたと心震えました。

いやはや、とんでもない作品ですよ! 日曜日の昼下がりに「さあ、お茶でも飲みながら読むか」と思ってヤカンを火にかけたんですけど、あまりに一気に作品世界に入っちゃったんで、お湯沸かしていることをすっかり忘れて、うちが火事になりかけました(笑)。

危ない! 人を殺しかける原稿ってヤバイですよ(笑)。

私、正直メフィスト賞でこれほど引き込まれた原稿というのは初めてかもしれないです。本当に力作です! まず、文章に非常に力がある。乾いているようでちょっとねっとりとしていて「辛い」や「後悔」の心情の吐露部分の描写など、圧巻です。冒頭からお母さん視点で話が進行していって、そのままラストまでかと思いきや、最後の最後で子ども視点に替わって、それまでのお母さん視点で読んでいたことがひっくり返される。お母さんだけでなく、読み手も崖っぷちに立たされる感じです。周囲の人たちが淡々としていてリアリティがないという声もありますが、私は逆にそれをリアリティと読みました。自分の子どもが異形になってしまっているのに、親同士でカラオケしたりしちゃう。人間のどんなに哀しいことがあっても、生きている限り日常が常にある感じが非常にリアルです。大切な人のお通夜のあとのお寿司を美味しいと食べてしまう、みたいな。またラストもちゃんとお話と向き合って、書き手なりの結論を出している。そこが読み手の心に響いて、感情が動かされます。

Y 皆さんおっしゃるとおり、ほんとに引き込まれる、これは傑作でしょう。読みながら、もう読みたくないなと思う。でも、読まざるを得ない。ああ、ここまで書ける方か……と、びっくりしました。リアリティという意味だと確かに賛否両論あるでしょうが、ひきこもりとかニートって、ある意味、社会から隔絶されて無視をされている存在かもしれない。そういう人たちがかかる病気だからこそ、そういうふうに描くのかな、と感じました。この方も、世に出る、出すべき才能だと思うので、あとは、どうやって多くの人に読んでもらうべきなのかなということだけでは。

すごく大きなことが起きるわけでもなく、どうなのかなと思いながらも、とにかく読まされていく。それだけお母さんの心理の襞を丁寧に書いていく作者の力量には感嘆しました。

物語にぐいぐい引き込まれて、これは本にしたいな、と思いながら読んでいました。「虫になった子どもを愛せますか」なんて、勝手にキャッチをつけたりして。ラストもいいんだよね。皆さんがおっしゃるとおり、とても力のある人だと思います。

N 読み終わったあとに感想を言い合いたい話なんですよね。

とにかくこの作品はすごくいいと思う。

メフィスト賞に相当する作品だと思いますね。

N 私、是非この作品をメフィスト賞として刊行したいです!!

それでは、賞賛の嵐なので、メフィスト賞決定! 久々の二号連続受賞は嬉しいな。じゃあ解散!

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