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30th-aniv

講談社ノベルス

NEWS
  • 8月9日
    講談社文庫より3大作家による名探偵傑作短篇集、3冊同時刊行!
  • 9月6日
    講談社ノベルスより レジェンド作家たちの書下ろし『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』刊行!
  • 9月7日
    <デビュー30周年記念刊行>綾辻行人『十角館の殺人〔限定愛蔵版〕』刊行!
  • 9月22日
    講談社タイガより『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』刊行!
  • 10月20日
    講談社タイガより『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』刊行!

新本格ミステリとは

 30年前の1987年9月5日。世にも奇妙な、後世に名を残す建築物が竣工した。孤島に建つその建物の名は十角館。建築家の名は――綾辻行人。
そう、これは小説のお話です。
 講談社ノベルスに建てられた、この館は出版界に燦然と輝き、ここから「新本格ミステリ・ムーヴメント」と呼ばれる、一大潮流が生まれます。綾辻氏のデビューを皮切りに、有栖川有栖氏、法月綸太郎氏、我孫子武丸氏、歌野晶午氏、山口雅也氏、麻耶雄嵩氏、北村薫氏といった、現在も第一線で活躍する人気作家が次々とデビューし、「新本格ミステリ」は出版界の人気ジャンルへと躍進を果たしました。
 そしてこの流れは、京極夏彦氏、森博嗣氏、西尾維新氏、辻村深月氏といった人気作家を輩出し続ける、講談社文芸第三出版部主宰の小説新人賞「メフィスト賞」へと受け継がれていきます。
『十角館の殺人』に代表される「新本格ミステリ」とは、定義は諸説ありますが、トリックとロジックを面白さの中心とした推理小説のこと。あの人気漫画『金田一少年の事件簿』も、『名探偵コナン』も、この「新本格」の影響を受けて生まれた作品なのです。
 あれから30年。このジャンルでは、今も才能にあふれる新人作家たちがデビューし続けています。ますます発展を続ける「新本格」の面白さにご注目ください!

 新本格30周年にあたって、その《新本格》の生みの親、元講談社文芸第三の編集者宇山日出臣さん(本名秀雄。日出臣は島田荘司さんが姓名判断により命名)について、記しておくべきだと思い筆を執ることにする。
 宇山さんは1944年生まれの京都市出身、同志社大学を卒業後、父親の意向で三井物産に入社する。しかし、生来の読書好き(ミステリ、SF)により、2年で商社を退社、講談社に入社することになる。講談社では当初中井英夫の『虚無への供物』を文庫化することやショート・ショート・コンテスト発案等に奔走したが、「(既成のものの再刊でなく)一から本造りのできるノベルス」の編集へと転ずることになる。  そこから編集者宇山日出臣の快進撃が始まる。島田荘司さんの『斜め屋敷の犯罪』の編集を経て、綾辻行人さんら、京大推理研出身の多くの若手作家の起用、また他社出身の有栖川有栖や私をも取り込んで《新本格》なる名称を発案、その後の日本ミステリのメイン・ストリームを築いていくことになる。


 ここから先は、私と宇山さんとの個人的な思い出を記していくことにする。
 私と宇山さんの最初の出会いは、処女長編『生ける屍の死』の上梓直後、今邑彩さんの13番目の椅子授賞パーティーの場だった。宇山さんは眼を輝かせながら私の作品を手放しで褒めてくれ、「ぜひ講談社でも書いてください」と言ってくれた。当時私は自作について、それほど自信がなかった。また目立った評価も得ていなかった(唯一の例外が服部まゆみさんの書評だった)ので、この初の大手出版社からの依頼には、大いに気をよくし、また、プロの作家としてやっていく自信にも繋がった。
 宇山さんとの実際の仕事が始まったのはそれから3年ほど後のこと。のちに『ミステリーズ』としてまとめられる中短編の雑誌連載からだった。しかし、単行本になる頃には、宇山さんは管理職となり、担当編集者は唐木厚さん(現講談社第五事業局担当局長)に引き継がれることとなった。その担当を離れる時の宇山さんの残念そうな顔は、今でもよく覚えている。ともかく現場で本を造るのが好きな人だった。しかし、宇山・唐木さんらの奮闘のおかげもあって、『ミステリーズ』は、『このミステリーがすごい!』の年間第1位に選ばれ、私の代表作ともなった。
 宇山さんとの仕事では、何の制約も口出しもなく、私の好きに書かせてもらった。だが、ただ一度の例外があった。それは、他社での作品出版時のこと。夜遅く宇山さんから電話がかかってきた。お酒を飲んでいるらしく、多少、呂律の回らない口調で「あそこがよかった」、「あの場面は美しかったなぁ」とか最初のうちは褒めてくれていたのだが、最後に「あなた、あれ、ブレーキ踏みながら書いているでしょ」と言われた。これには、はっとさせられた。確かにそうした感じはあった。当該作は締め切りに追われて時間切れのまま上梓――出来栄えには忸怩たる想いがあったのだ(あとがきにもその旨は書いた。)しかし、この宇山さんの言葉に、私は気を悪くするどころか、感謝の念を抱いた。宇山日出臣という編集者は、たとえ他社のものであっても、真剣に読んでくれ、ただただ作家のためを想ってアドヴァイスをしてくれる――まさに、名伯楽ともいうべき編集者だったのだ。以来、私は、この宇山さんの言葉を戒めとして、どんな短文・雑文の類でも「ブレーキを踏まずに」書くように心がけている。
その後も宇山さんとはいろいろあったが、最晩年のエピソードを一つ書かせていただく。
2006年の7月半ば頃、私は懸命に原稿を書いていた。もう1年近くも抱え込み、書きあぐねていた《ミステリーランド》シリーズの原稿(その後『ステーションの奥の奥』として上梓)だった。それは講談社退職直前に宇山さんから依頼されていた、いわば、彼との最後の《約束》だった。豪華執筆陣を連ねた宇山さん直筆の企画書FAXの情熱あふれる文面は、今でもよく覚えている。しかし、「かつて子どもだったあなた(大人)と少年少女のための本」という宇山さんの設けたハードルは存外高く、一向に筆は進まない。そして、眠れない日々が続いていた。それが、月半ばになって、ようやく腹を括ることになる。どうせ眠れないのなら、書けばいいじゃないか。眠くなったら寝て、眠れなかったら書く。――そんな風にして、私は2時間寝ては、6時間書き、また3時間寝ては、何時間か書き……と、しまいには、いつ寝ていつ書いているのかわからないような状態で、自分に課したノルマの何倍もの原稿量を夢中になって書いていた。
結局、私は実質2週間ほどで、本を一冊書き上げた。読み返してみて(これは担当にも言ったのだが)、とても短期間に書き上げたものとは思えない、何か自分でない何者かに書かされたような質・量の原稿になっているのに、首をかしげた。――まるで何かの憑き物に憑かれて書いてしまったというような按配だった。――それが7月27日のこと。
 それから数日後、原稿枚数や体裁のことで、元々の企画者である宇山さんと連絡を取らねばならない事態となった。そして、8月1日の夕方、ご自宅にいた宇山さんと電話で話す機会を得た(その時私は友人の引っ越しの手伝いをしていて、繋いだばかりのテープ・デッキに手近にあった映画《惑星ソラリス》のヴィデオをかけて動作確認をしている最中だった)。
宇山さんが重い鬱病に罹っていたのは知っていたが、まだ監修者的立場で企画に関わっていたので、判断を仰ごうと思ったのだ。しかし、案の定、お身体を損なわれていたせいか、宇山さんは呂律が回らない状態で、細かい実務の話などとてもできそうになかった。ただ、こちらの要望は理解していたらしく、「山口さんのお考え通りでゴーだと思います」という言質を得ることはできた。それ以上、実務的な話を継続することは困難だと悟った私は、「またお加減のいい時にお電話し直します」と言って電話を切った。
 それから2日後の8月3日の夜、講談社から電話が入った。例の《ミステリーランド》の実務の件かと思いきや、何と、今朝方、宇山さんが亡くなったという、意外な知らせだった。電話口で私は取り乱した。肉親以外の死で涙が出たのは初めての経験だった。宇山さん(と奥様の慶子さん)は、駆け出しの頃の、まだ未知数だった私を高く買ってくれ、真っ先に原稿依頼をしてくれ、家に泊めてくれ、ご飯を食べさせてくれた。――単なる担当編集者の枠を越えて肉親と同等以上の面倒を見てくれた人だった。だから、私は父親を失ったような大きな喪失感に襲われたのだった。
 いたたまれない気持ちで、その夜遅く、タクシーを飛ばして、川崎の宇山さんのお宅へ伺った。すでに検視を済ませ、棺に納められていた宇山さんは、昏倒したときの鼻の傷をそのまま残していたが、それがまるで悪戯っ子が転んで、そのまま寝入ってしまったような無垢で安らかなお顔のように映った。そこで奥様から驚くべきことを聞かされた。救急搬送のとき、宇山さんのご遺体の脇の下にDVDが挟まれていて、そのタイトルが《惑星ソラリス》だったというのだ。それは、数日前に、宇山さんとの最後の会話をしたときに自分が観ていた作品だったではないか。――私はこの不思議なシンクロニシティー現象を、宇山さんとの宿世の縁――と解釈するほかなかった。
 テーブルの上には、私の携帯の番号と《至急》と独特のクセ字で書かれたメモが、残されていた。そして、書き上げたばかりの私の原稿も、すぐ近くに置いてあった。
 私は不可知論者だから、超自然的なことを安直には言いたくはないのだが、宇山さんのこの突然の死から逆算すると、あの7月の自分の異常な執筆ぶりは、宇山さんの企画への執念が取り憑いて、その死に間に合わせるように、私にそうさせたことなのかもしれないと、思わざるを得なかった。
 告別式の日に、宇山さんの奥様から、納棺する3冊があると教えていただいた。一冊は『虚無への供物』、もう一冊は、読み止しの形跡があった『久生十蘭全集』、そして三つ目が、まだ本になっていない、私の《ミステリーランド》の原稿だという。それを聞かされて、また胸にこみ上げるものがあった。奥様のお心遣いがありがたく、作家冥利に尽きる思いだった。
 そして、そのことによって、別の世界へ往ってしまった宇山さんは、私という作家にとって永遠の《担当編集者》になってしまったのだなと思った。
 宇山日出臣さん、どうもありがとうございました。あなたの生んだ《新本格》は、とうとう30周年を迎えることができましたよ。

山口雅也(やまぐち・まさや) 1989年『生ける屍の死』でデビュー。
1995年『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞を受賞。
2002年に発表された『奇偶』は、「偶然」という概念を型破りともいえる視点で扱い、ミステリの新たな到達点を示した。
他著書に『キッド・ピストルズの冒瀆』ほかのキッド・ピストルズシリーズ、『垂里冴子のお見合いと推理』ほかの垂里冴子シリーズ、『ミステリーズ』ほかのMシリーズなどがある。
『ミステリー映画を観よう』など、評論も多くものしている。

れば、もう
引き返せない。
収録作品:
東川篤哉『陽奇館(仮)の殺人』
一肇『銀とクスノキ ~青髭館殺人事件~』
古野まほろ『文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン』
青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』
周木 律『煙突館の実験的殺人』
澤村伊智『わたしのミステリーパレス』

『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』
著者:東川篤哉 一肇 古野まほろ 青崎有吾 周木 律 澤村伊智 文芸第三出版部・編
定価:本体810円(税別)
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あなたは、
られるか。
収録作品:
はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』
恩田陸『麦の海に浮かぶ檻』
高田崇史『QED~ortus~ ―鬼神の社―』
綾崎隼『時の館のエトワール』
白井智之『首無館の殺人』
井上真偽『囚人館の惨劇』

『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』
著者:はやみねかおる 恩田陸 高田崇史 綾崎隼 白井智之 井上真偽 文芸第三出版部・編
定価:本体810円(税別)
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テーマは「名探偵」。
7編の傑作誕生!

綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
歌野晶午「天才少年の見た夢は」
法月綸太郎「あべこべの遺書」
有栖川有栖「船長が死んだ夜」
我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題
麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い ――大鏡家殺人事件――

『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』
著者:綾辻行人 歌野晶午 法月綸太郎 有栖川有栖 
我孫子武丸 山口雅也 麻耶雄嵩
定価:本体1,000円(税別)

 描き上がった新本格30周年アイコン(シルエットの綾辻さん)を編集さんに渡すときにこう言いました。「題材が綾辻さんだったから可能でした。ファンの間でイメージも固まっていますからね。他の人なら絶対に無理でした」
 しばらくして別の編集さんから、30周年記念アンソロジーの装画依頼がありました。新本格マニアとして願ったりかなったりの仕事です。「何を描きましょうか?」と問おうとしたら「デザイナーの坂野さんのアイデアなんですが」と、一枚の紙を渡されました。
 そこには僕が描いた30周年アイコンの綾辻さんが7つ並び、そのそれぞれに、歌野晶午、法月綸太郎……と名前が並んでいました。
 そのアイデアを口で説明されたら、即座に「無理です」と答えたことでしょう。「あれは綾辻さんだから可能だったんです」と。
 でも目の前のアイデアラフが僕にそれを言わせませんでした。「無理だ」の前に「おもろいやん!」と思ってしまったからです。これを形にしてみたい!
 困難が待っていると思いましたが、いざ取りかかると、あれよあれよと進んでいきました。どの作家さんもキャラが立っていました。売れっ子作家なんだから当り前のことですが、私生活の場でもお会いすることが多いので、すっかりそれを忘れていたのです。
 全員違ったポーズにしようと考えていましたが、勝手にペンが走って決めてくれます。それぞれに記号的なアイテムを加えましたが、数人に当てはまる「猫」と「タバコ」を振り分けたら、あとはすんなり進みました。麻耶くんの〝特異さ″をどうしようかと考えていたら、ベストのタイミングで彼が蛇を巻いている画像が流れてきました(神もこの仕事に協力してくれていると感じた瞬間です)。
 今は、困難をなし遂げた感動に包まれています。そして別の野望がむくむくと湧き上がってきています。

 こうなったら、ミステリ作家全員のこれを描いてみたい! と。

(追記)綾辻さんには「僕は司会をしているの?」と訊かれてしまいました。いいえ、歌っているところです。

喜国雅彦(きくに・まさひこ) 漫画家、雑文家、装画家、プチ音楽家、本棚探偵。
ミステリとヘヴィ・メタルと古書とニーソが好き。
代表作に『日本一の男の魂』『月光の囁き』など。1997年に第4回みうらじゅん賞、2015年に『本棚探偵最後の挨拶』で第68回日本推理作家協会賞、2017年に『本格力』で第17回本格ミステリ大賞受賞。

担当コメント

綾辻行人さんの『十角館の殺人』が誕生して30年。新本格ミステリにとって記念すべき年だからこそ出来たアンソロジーです。新本格第一世代と呼ばれる作家の皆さんが渾身の力で書ききった新作7編。はっきり言います、すべてがすべて傑作! ミステリ好きならば、必ず読んで欲しい1冊です!

『十角館の殺人 限定愛蔵版』
著者:綾辻行人
定価:本体3,700円(税別)
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担当コメント

あの衝撃から30年――。『十角館の殺人』のはじめての限定愛蔵版が、著者デビュー30周年のメモリアルイヤーに刊行となります! 豪華函入り、そして豪華執筆陣によるエッセイ「私の『十角館』」を収録したスペシャルブックレット付き!! 33名の作家さんそれぞれの「『十角館の殺人』との出会いのエピソード」には、歴史と感動がつまっています。今しか手に入らない限定版ですので、このチャンスを絶対に絶対に逃さないでください。きっときっと、後悔します。

御手洗篇名探偵・御手洗潔と相棒・石岡和己、
怪事件に挑む。

本格ミステリの金字塔『占星術殺人事件』での登場以来、難事件をいくつも解決し、相棒・石岡和己(いしおかかずみ)とともに、愛されてきた名探偵・御手洗潔(みたらいきよし)。その選りすぐりの短篇集。御手洗の人間的魅力に溢れた「数字錠」、「SIVAD SELIM」、シリーズ屈指の怪事件「山高帽のイカロス」他、全5篇を収録。監修・解説/千街晶之。

『名探偵傑作短篇集 御手洗潔篇』
 講談社文庫
 定価:本体980円(税別)
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法月篇法月綸太郎と法月警視、
親子コンビが不可能犯罪に挑む。

新本格ミステリの牽引者・法月綸太郎が生んだ同名の探偵・法月綸太郎が型破りな謎に父・法月警視とともに挑む。その選りすぐりの短篇集。会心の鉄道ミステリ「背信の交点(シザーズ・クロッシング)」、オカルト現象の裏側の犯罪劇「世界の神秘を解く男」、日本推理作家協会賞受賞の傑作「都市伝説パズル」、全6篇を収録。監修・解説/巽昌章。

『名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇』
 講談社文庫
 定価:本体920円(税別)
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火村篇臨床犯罪学者・火村英生と助手・
有栖川有栖、巧妙なトリックに挑む。

臨床犯罪学者・火村英生と助手・有栖川有栖のコンビが、美しく謎を解く、多彩な事件を散りばめた短篇集。火村と怪人物との丁々発止の対決を描く「ジャバウォッキー」、犯人を論理的に割り出す本格ミステリの王道「スイス時計の謎」、誘拐事件の意外な顛末とは?「助教授の身代金」他、全6篇収録。監修・解説/杉江松恋。

『名探偵傑作短篇集 火村英生篇』
 講談社文庫
 定価:本体840円(税別)
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36年もの長きにわたり数々の事件を解決してきた天才探偵御手洗 潔

御手洗 潔

横浜市出身。脳科学者。IQ300以上。 15歳でアメリカの名門大学に入学し、20歳のころにはコロンビア大学の助教授となっている。その後世界各地を放浪し帰国。京大医学部に入学するも中退。再度渡米し、研究者やジャズミュージシャンとして活動した後帰国し、占星術師となる。占星術師を廃業したあとは横浜の馬車道に事務所を構え、私立探偵に。さらに北欧へ移住し、スウェーデンのウプサラ大で脳科学を研究している。多言語を使いこなし、様々な分野に精通する博識のひとだが、感情の起伏が激しく、初対面の人の多くは彼を「変人」とみなす。ときにうつ病を発症することもある。権威主義や事大主義的な価値観を嫌悪し軽蔑する一方、弱き者へ向けるまなざしはやさしい。

石岡和己

山口県出身。美大卒の元イラストレーター。ある事件で御手洗と出会い、彼が解決した事件を作家として執筆している。御手洗とはやがて横浜で同居生活を送るようになるが、家事のほとんどを引き受けていた。御手洗が生活拠点を北欧へ移して一人暮らしになると“御手洗ロス”が激しく、鬱状態に陥りかけた。

著者/島田荘司(しまだそうじ)

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『屋上の道化師たち』まで50作に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『光る鶴』などの吉敷竹史刑事シリーズで人気を博す。2009年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また、「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「講談社『ベテラン新人』発掘プロジェクト」の選考委員を務めるなど、新しい才能の発掘と育成にも尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳、紹介にも積極的に取り組んでいる。

父とともに不可能犯罪に挑む、悩める名探偵法月綸太郎

法月綸太郎

推理作家。東京都世田谷区在住で、母親はすでに他界し父である法月警視と二人暮らし。若手小説家としては、その実績ははかばかしくないが、古今東西の犯罪やトリックの知識に通じ、その推理力をかう法月警視の要請により非公式ながら事件捜査に協力する。ふだんは社交的で楽観的な性格ながら、捜査となると一切の妥協を許さない。途中大いに悩み、ときにミスを犯すことも珍しくないが、あくまでも論理的な推理を積み重ね真相へと向かっていく。区立図書館の司書で眼鏡美人の沢田穂波がガールフレンド。法月警視や穂波とともにあらゆる事件を解決に導いてゆく名探偵。

法月警視

名は貞雄。綸太郎の実父。警視庁捜査一課所属。将来を嘱望されたエリートキャリアだったが上司にうとまれ出世コースから外され、階級も警視のまま。妻は自殺している。

著者/法月綸太郎

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。在学中は京大推理小説研究会に所属。88年『密閉教室』でデビュー。89年、著者と同姓同名の探偵が登場する「法月綸太郎シリーズ」第1弾『雪密室』を刊行。2002年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞、「このミステリーがすごい! 2005年版」国内篇第1位に選ばれる。他の著書に『頼子のために』、「怪盗グリフィンシリーズ」、『キングを探せ』、『ノックス・マシン』など。

心に闇を抱えた臨床犯罪学者が巧妙なトリックに挑む火村英生

火村英生

英都大学社会学部准教授。京都市在住。学生時代からの北白川の下宿に猫3匹とともに暮らしている。犯罪社会学を専攻し、その研究のフィールドワークとして、実際の殺人現場に赴き事件を解決する。法律、法医学、心理学などに造詣が深く、語学も堪能。服装には無頓着で、モノトーンのシャツとジャケットを着て細いネクタイをだらしなく結ぶ姿は、アリスから「碁石みたい」と評されている。事件捜査中は黒い絹の手袋を着用する。ぼさぼさの頭髪をかき回したり、唇を人差し指でなぞって考え事をしたりする癖がある。犯罪学者を志した理由を問われ「人を殺したいと思ったことがあるから」と答え、誰かを惨殺する悪夢にうなされるなど、人知れぬ心の闇も抱えている。

有栖川有栖

推理作家。大阪市在住。 火村は大学の同期生で、二年のときに、講義中に執筆していた推理小説を火村が無断で読み「その続きはどうなるんだ?」と聞いたことが知り合うきっかけに。火村からは「アリス」やからかい半分に「浪花のエラリー・クイーン」と呼ばれ、助手として事件現場にもしばしば同行する。

著者/有栖川有栖

1959年大阪府生まれ。同志社大学卒業。在学中は推理小説研究会に所属。1989年、『月光ゲーム』で鮮烈なデビューを飾り、以降「新本格」ミステリムーブメントの最前線を走り続けている。2003年、『マレー鉄道の謎』で第56回日本 推理作家協会賞を受賞。'08年には『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞した。近著に『鍵の掛かった男』、『狩人の悪夢』、エッセイ集『ミステリ国の人々』などがある。

講談社ノベルス
『7人の名探偵』
講談社タイガ
『謎の館へようこそ 白』
『謎の館へようこそ 黒』
上記の新本格30周年記念アンソロジー3作品に、「特製しおり」がついています。
しおりにあるのは、『7人の名探偵』カバーに使用されたイラストと各作家のデビュー作を彩る名文の数々!
なんと、その名文をセレクトしたのは新本格ミステリ作家を多く輩出してきた京都大学推理小説研究会(略称「京大ミステリ研」)の現役メンバー!
新本格30周年だからこそ誕生した、ファンにオススメの特製しおりです。

注意事項 キャンペーン期間 2017年12月末日まで
キャンペーン期間内においても、本しおりはなくなり次第終了とさせていただきます。
ご了承ください。
しおりのデザインは選べません。

  • 9月6日『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』刊行(講談社ノベルス)
    著/綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、山口雅也、麻耶雄嵩
  • 9月7日『十角館の殺人 限定愛蔵版』刊行
  • 9月22日『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』刊行(講談社タイガ)
    著/東川篤哉、一筆、古野まほろ、青崎有吾、周木 律、澤村伊智
  • 10月20日『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』刊行(講談社タイガ)
    著/はやみねかおる、恩田 陸、高田崇史、綾崎 隼、白井智之、井上真偽
『QED~ortus~ 白山の頻闇(しきやみ)』高田崇史 『転生(てんせい)の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿』 講談社ノベルス鉄道ミステリフェア開催! 『南柯の夢 鬼籍通覧』 『神の時空 前紀─女神の功罪─』 『NO推理、NO探偵?』 『新本格ミステリ30th anniversary』 『紅城奇譚』鳥飼否宇 『クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係』大倉崇裕 『横濱エトランゼ』大崎 梢 『悲衛伝』西尾維新 『悲亡伝』西尾維新 『悲録伝』西尾維新 『悲業伝』西尾維新 『悲報伝』西尾維新 『悲惨伝』西尾維新 『悲痛伝』西尾維新 『悲鳴伝』西尾維新 電子百鬼夜行シリーズ 京極夏彦 高田崇史ONLINE