『クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係』
著者:大倉崇裕
定価:本体1,550円(税別)
ペットを飼っている人が、突然、事件に巻きこまれたり、あるいは容疑者として逮捕されたら、そのペットの世話はいったい誰がするのだろう。2009年、ふとそんなことを考えた。ジュウシマツをテーマにしたミステリーを書きたいと思っていたので、すぐその思いつきに飛びついた。それが、「警視庁いきもの係」の第1話『小鳥を愛した容疑者』である。
幸い、好評をいただき続編を書くことになった。次はどんな動物にしようか。どうせやるのなら、ちょっと珍しい動物がいい。そう、ペンギンとかサルとかカメとかヘビとか。
こうして始まったシリーズもおかげさまで、4冊目になった。今回取り上げたのは、表題作でもあるクジャク、ピラニア、ハリネズミである。クジャクは、京都大学にクジャク同好会というものがあり、構内でクジャクを飼っているという情報をキャッチ。京大に突撃取材を敢行し、そこで得た知識を元に書いた。クジャク同好会の皆様、本当にありがとうございました。ピラニアは、当初から絶対に取り上げてみたかったもの。水槽の中から出られない「魚類」をどうミステリーにするのかに挑戦してみたかった。ハリネズミは、たまたま見ていたEテレの番組で、「ハリネズミはどうやって持つのでしょう?」というクイズがきっかけだった。できれば実際に持ってみたかったのだが、残念ながら体験できなかった。
そして2017年、人生には時として思いも寄らないことが起きるものだ。「警視庁いきもの係」シリーズがドラマ化されるという。須藤友三は渡部篤郎さん、薄圭子は橋本環奈さんが演じてくださる。本当にいいのだろうか。薄はヘビに捲かれて喜んだり、サソリを食べたりするような人物だし、須藤は古傷を抱えた爆弾のような刑事だ。お二人に、「何だこれは?」と怒られそうな気がする。
1968年生まれ。京都府出身。学習院大学法学部卒業。1997年「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞佳作を受賞。1998年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞。落語を愛好し、登山を趣味とし、特撮や怪獣、海外ドラマに造詣が深い。精力的な執筆を続け、『福家警部補の挨拶』は2009年、2014年にTVドラマ化されるなど人気を博す。また2017年4月公開の映画『名探偵コナン から紅(くれない)の恋歌(ラブレター)』の脚本を担当し、大ヒットとなる。『小鳥を愛した容疑者』『蜂に魅かれた容疑者』『ペンギンを愛した容疑者』そして本書から成る「警視庁いきもの係」シリーズは2017年7月から待望のTVドラマ化。
頑固で不器用な窓際警部補・須藤友三と、生き物全般に精通するオタク&天然系巡査・薄(うすき)圭子の名(迷?)コンビが、さまざまな動物が関わる難事件を解き明かしていく人気シリーズ第4弾です。今回登場するのはピラニア、クジャク、ハリネズミ。シリーズ名物となった須藤と薄の軽妙でとぼけたやり取りには拍車がかかり、2人の「アニマル推理」も絶好調。読むとクセになる面白さはパワーアップしています。
さらに「警視庁いきもの係」の連続ドラマ化が決定! 須藤を渡部篤郎さん(かっこ良すぎる)が、薄を橋本環奈さん(可愛すぎる)が演じる、作者の大倉崇裕先生も納得のキャスティングです。脚本がまたよく出来ていて期待大! 7月よりフジテレビ系で毎週日曜夜9時から放送です。
シリーズ既刊の『小鳥を愛した容疑者』『蜂に魅(ひ)かれた容疑者 警視庁いきもの係』『ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係』も講談社文庫で勢揃い。ぜひご一読ください!
『小鳥を愛した容疑者』 小鳥、ヘビ、カメ、フクロウから導き出される意外な「アニマル推理」とは? 須藤と薄の名(迷)コンビ、最初の事件簿!
『蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係』 都内近郊の各地でスズメバチが人を襲う事故が続出! 蜂を使った大犯罪とは? 連続するどんでん返し! 傑作長編!!
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