『ダマシ×ダマシ Swindler』
著者:森 博嗣
定価:本体1,000円(税別)
「もしかして、ある人に騙(だま)されてしまったかもしれないんです」
上村恵子は、銀行員の鳥坂大介と結婚したはずだった。
求められるまま口座を新設し、預金のすべてを振り込んだ。
だが、彼は消えてしまった。預金と共に。
鳥坂の捜索依頼を受けたSYアート&リサーチの小川令子は、
彼がほかに二人の女性を騙していたことをつきとめる。
だが、その鳥坂は死体となって発見された。
事務所メンバの新たなる局面。Xシリーズ最終話!
『イナイ×イナイ』『キラレ×キラレ』『タカイ×タカイ』『ムカシ×ムカシ』『サイタ×サイタ』。そしてついに『ダマシ×ダマシ』でXシリーズが完結となります。最初に原稿を読んだ感想は「せつないなあ」「ときぐすりってあるよなあ」でした。事件とその解決だけでなく、シリーズキャラクタの環境の変化や成長、次のステップへ進む姿は、新年度スタート後のこの季節にぴったりだと思います。
もちろんミステリィとしての面白さも抜群です。森作品としては異色の「結婚詐欺」。おたのしみください。
美術品鑑定業を営みながらも、探偵としての調査も行っている椙田事務所。その所員たちの前に次々と事件が。
『イナイ×イナイ Peekaboo』
講談社ノベルス
講談社文庫
屋敷の地下で密かに育まれる凄惨な事件の芽!
「私の兄を捜していただきたいのです」
美術品鑑定を生業とする椙田事務所を訪れた黒髪の美人・佐竹千鶴はこう切り出した。
都心の一等地に佇立する広大な佐竹屋敷、
美しき双子、数十年来、地下牢に閉じ込められているという行方不明の兄・鎮夫。
そして自ら《探偵》を名乗る男が登場する。
旧家で渦巻く凄惨な事件の香り……。
『キラレ×キラレ Cutthroat』
講談社ノベルス
講談社文庫
満員電車に出没する切り裂き魔の正体は!?
「この頃、話題になっている、電車の切り裂き魔なんだけれど──」
三十代の女性が満員の車内で、ナイフのようなもので襲われる事件が連続する。
《探偵》鷹知祐一朗と小川令子は、被害者が同じクリニックに通っていた事実をつきとめるが、その矢先、新たな切り裂き魔事件が発生し、さらには殺人事件へと──。
犯行の異常な動機が浮かび上がるとき、明らかになるものとは……。
『タカイ×タカイ Crucifixion』
講談社ノベルス
講談社文庫
地上十五メートルに掲げられた他殺死体!
「あんな高いところに、どうやって死体を上げたのでしょう?」
有名マジシャン・牧村亜佐美の自宅敷地内で発見された他殺死体は、奇妙なことに、地上約十五メートルのポールの上に掲げられていた。
被害者は、前夜ファンと牧村の会食中に消えたマネージャだった。
事件関係者の調査依頼を受けた《探偵》鷹知祐一朗は、複雑に絡み合う人間関係の糸を解きほぐし、犯人の意図と事件の意外な真相に迫る。
『ムカシ×ムカシ Reminiscence』
講談社ノベルス
講談社文庫
大正時代の作家、百目一葉。
その一族、百目鬼悦造夫妻が刺殺され悲劇の幕はあがった。
「やっぱり、河童の祟りですか?」
大正期、女流作家の百目一葉を世に出した旧家・百目鬼家。
当主の悦造・多喜夫妻が、広大な敷地に建つ屋敷で刺殺された。
遺された美術品の鑑定と所蔵品リストの作成依頼がSYアート&リサーチに持ち込まれる。河童が出るという言い伝えがある井戸から、新たな死体が発見され、
事件は、異様な連続殺人の様相を呈し始めるのだった。
百目鬼一族を襲う悲劇の辿りつく先は?
『サイタ×サイタ Explosive』
講談社ノベルス
ストーカ男と連続爆弾魔の関係は?
「キレイニサイタ」「アカクサイタ」
謎めいた犯行声明をマスコミに送りつける連続爆発事件の犯人、通称・チューリップ爆弾魔。
その犯行が報道される中、SYアート&リサーチに持ち込まれた奇妙な素行調査。対象者―佐曾利隆夫に以前の同棲相手へのストーキング疑惑が浮上する。
張込みに加わったバイトの永田絵里子は、佐曾利を尾行中、 爆弾事件に遭遇する。そして第一の殺人事件が!