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『ホームズ四世』

『ホームズ四世』新堂冬樹

『ホームズ四世』
著者:新堂冬樹
定価:本体1,700円

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あの名探偵シャーロック・ホームズの曾孫は、新宿・歌舞伎町のナンバーワン・ホストになっていた!? こんなホームズは世界初! 新堂冬樹にしか書けない、掟破りのホームズ×ホスト×アドベンチャー!
歌舞伎町のホストクラブ「ポアゾン」のナンバーワン・ホスト、木塚響の「太客(ふときゃく)」である加奈が失踪した。今こそ、曾祖父であるシャーロック・ホームズから受け継いだ、響の卓越した推理能力を発揮する時!
その調査の途中で響は美女探偵・桐島檸檬と出会う。彼女はなんとホームズの盟友、ワトスンの曾孫だった!? しかも失踪事件の背後に潜む巨悪は、ホームズの宿敵というべき「あの男」の血を継ぐ者……!?
現代のベイカー街と化した歌舞伎町を舞台に、とびきり異色なヤング・ホームズの大胆不敵な冒険が始まる!

あの名探偵シャーロック・ホームズの曾孫は、新宿・歌舞伎町のナンバーワン・ホストになっていた!? こんなホームズは世界初! 新堂冬樹にしか書けない、掟破りのホームズ×ホスト×アドベンチャー!
歌舞伎町のホストクラブ「ポアゾン」のナンバーワン・ホスト、木塚響の「太客(ふときゃく)」である加奈が失踪した。今こそ、曾祖父であるシャーロック・ホームズから受け継いだ、響の卓越した推理能力を発揮する時!
その調査の途中で響は美女探偵・桐島檸檬と出会う。彼女はなんとホームズの盟友、ワトスンの曾孫だった!? しかも失踪事件の背後に潜む巨悪は、ホームズの宿敵というべき「あの男」の血を継ぐ者……!?
現代のベイカー街と化した歌舞伎町を舞台に、とびきり異色なヤング・ホームズの大胆不敵な冒険が始まる!

 幼い頃に夢中になった小説は、『シートン動物記』『ファーブル昆虫記』『怪人二十面相』そして、『シャーロック・ホームズ』シリーズだ。
 とくにエキセントリックな人間像が魅力的なシャーロック・ホームズという主人公には、幼心にもかなりの衝撃を受けた。
 歴史的名作なので、世界中で数々のドラマや映画として映像化されている。
 いろいろな作品を観たが、個人的にベストの「シャーロック・ホームズ」は、1985年から1995年にNHK総合で放映されたジェレミー・ブレット主演の『シャーロック・ホームズの冒険』だ。
 とにかく、主役のジェレミー・ブレットの役作りが際立っていた。
 奇人、変人、偏屈、悪癖、我儘……エキセントリックでありながら、鋭い洞察力と神がかり的な推理力を持つシャーロック・ホームズを見事に演じた。
 私はDVDで観たのだが、いつか、自分も「新堂版ホームズ」を書きたいと思っていた。
 そのチャンスは、デビュー15年目に訪れた。
 私の生みの親である講談社の「メフィスト」での新連載打ち合わせの際に、当時の担当編集者に、「ホームズ物を書きたい」と直訴した(笑)。
「新堂冬樹がシャーロック・ホームズ……面白いですね!」
 ここまでは、スムーズに話が進んだ。
 問題なのは、「どんなホームズ物」にするか? だった。
 ご存知の通り、シャーロック・ホームズに纏わる作品はかなりの数に上り、様々なキャラクターが生まれた。
 まず、私が考えたのは、「ルパン三世」のように主人公はホームズ自身ではなく、子孫にしようということ……そして、舞台をロンドンのベイカー街ではなく新宿の歌舞伎町にしようということだった。
 なぜ歌舞伎町を舞台にしたのかといえば、やはり日本でも有数の犯罪の街というイメージがあるからだ。
 そして、ホームズの子孫=探偵という安易なキャラクターにだけはしたくなかった。
 では、どんな主人公にするか?
いまどきの若者、偉大なる先祖にたいしてのコンプレックスと反発、歌舞伎町特有の匂い、一芸に秀でたキャラクター……私が生み出した「ホームズ四世」は、歌舞伎町のナンバー1ホストだった。
 だが、奇をてらうばかりではなく、シャーロック・ホームズを扱うことにたいしての敬意を表する意味で、敵役はホームズの宿敵であるあの悪の天才の血を継ぐ者、主人公、響のパートナーはジョン・H・ワトスンの曾孫の美少女探偵と、「王道を継承」した(笑)。
『ホームズ四世』は、『シャーロック・ホームズ』シリーズをリスペクトしながらも、恐れ多くも「新堂ワールド」に染めようと挑んだ新境地である。

新堂冬樹(しんどう・ふゆき)
1998年に『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞し、デビュー。その後『闇の貴族』『ろくでなし』『無間地獄』『カリスマ』『悪の華』『忘れ雪』『黒い太陽』『天使がいた三十日』『アキバの帝王』などヒット作を連打。ドラマ化、映画化された作品も多数。裏社会をハードに描く「黒新堂」と静謐な恋愛小説を書く「白新堂」の2つの顔を持つ。芸能プロダクション(新堂プロ)も経営し、その活動は多岐にわたる。

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特別書き下ろしコラム「シャーロック・ホームズの子孫の大冒険」北原尚彦
『ホームズ四世』を読んで驚嘆したのが、日本を代表するシャーロック・ホームズ研究家の北原尚彦氏。その驚嘆の理由とは、いったい?
ホームズの歴史を知り尽くした北原氏が、海外と日本の「ホームズのパロディ/パスティーシュ」の実例を多数紹介。その流れの中で『ホームズ四世』の占める特別な意味がわかります。読んでフムフム、知って納得の特別コラムです。 特別書き下ろしコラム「シャーロック・ホームズの子孫の大冒険」北原尚彦

『ホームズ四世』を読んで驚嘆したのが、日本を代表するシャーロック・ホームズ研究家の北原尚彦氏。その驚嘆の理由とは、いったい?
 ホームズの歴史を知り尽くした北原氏が、海外と日本の「ホームズのパロディ/パスティーシュ」の実例を多数紹介。その流れの中で『ホームズ四世』の占める特別な意味がわかります。読んでフムフム、知って納得の特別コラムです。

 シャーロック・ホームズは今から約130年前、1887年にアーサー・コナン・ドイル作『緋色の研究』にて初登場した。以降、コナン・ドイルはシャーロック・ホームズのシリーズ作品全60作(通称「正典」)を書き続けた。
 コナン・ドイル以外の作者が書いたホームズ物、パロディ/パスティーシュも早くから書かれている。今から125年前、1891年には最初のパロディが発表されているのだ。
 それほど歴史が長いだけあって、ホームズ・パロディ/パスティーシュには様々なパターンがある。アドリアン・コナン・ドイル&J・D・カー『シャーロック・ホームズの功績』や北原尚彦『シャーロック・ホームズの蒐集』のように、コナン・ドイルの筆致に極力近づけた「正統派パスティーシュ」。
 シュロック・ホームズ(ロバート・L・フィッシュ作)やステイトリー・ホームズ(アーサー・ポージス作)などの、「シャーロック・ホームズもどき」。
 島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』やアレクシス・ルカーユ『シャーロック・ホームズを訪ねたカール・マルクス』などの「実在の有名人との共演」。
 ローレン・D・エスルマン『シャーロック・ホームズ対ドラキュラ』やマンリー・W・ウェルマン&ウェイド・ウェルマン『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』などの「架空の有名人との共演」。
 キャラクターを動物にした、アニメ『名探偵ホームズ』や、イブ・タイタス〈ねずみの国のシャーロック・ホームズ〉シリーズなどの「動物ホームズ」、などなど……。
 そして、そんなカテゴリーの一種として「ホームズの子孫」ものがある。古くはJ・K・バングズ『ラッフルズ・ホームズの冒険』やF・A・クマー&B・ミッチェル「カンタベリー寺院の殺人」。前者はホームズの息子が主人公だが、母親が怪盗ラッフルズの娘であるため、探偵と泥棒両方の血を引いている、という設定。後者はホームズの娘シャーリーが探偵役で、相棒のジェーンもワトスン博士の娘という設定だ。
 その他、我が国で読めるものを順に紹介しよう。アビイ・ペン・ベイカー『冬のさなかに──ホームズ2世最初の事件』はホームズの娘が探偵役。
 ブライアン・フリーマントル〈シャーロック・ホームズの息子〉シリーズは、その名の通りホームズの息子が主人公のスパイ物。
 北原なおみの少女小説〈ホームズ君は恋探偵〉シリーズは、日英ハーフで中学3年生なホームズの子孫が探偵役。
 松原秀行の児童書『パスワードとホームズ4世』ほかには、ホームズ4世が登場(ただしシャーロック・ホームズの兄マイクロフトの曾孫という設定)。
 ゲームブック『ルパン三世 華麗なる挑戦』(スタジオ・ハード編)では、ルパン三世がホームズ三世と対決する。
 コミック『名探偵マダム・ホームズ』(原作・鍋島雅治/作画・花小路ゆみ)は、シャーロック・ホームズのひ孫で富豪の未亡人(つまり女性)が主人公という、ホームズ・パロディと筒井康隆『富豪刑事』をミックスしたようなパターン。
 アニメ・小説・ゲームなど複数メディアに展開する「緋弾のアリア」や「探偵オペラ ミルキィホームズ」のヒロインも、ホームズの子孫設定である。
 その他、ヤングアダルト小説(今でいうライトノベル)の吉岡平〈シャルロット・ホームズの冒険〉シリーズや野口幸一〈ディジタル・ホームズ〉シリーズ、成人コミックの後藤寿庵『シャーリィ・ホームズ』など、枚挙の暇がない。
 しかし、である。ホームズの子孫を新宿のイケメンホストにしてしまったのは、おそらく新堂冬樹『ホームズ四世』が世界初だろう。裏社会に精通している作者ならではの設定である。相棒となる桐島檸檬は、美しき女探偵。彼女の“ワトスン役”ぶりもぴったりハマっており、しっかりバディものになっている。
 また、主人公のホストをホームズの子孫と設定した“だけ”の小説の可能性もあるな、と思って読んだところ、あにはからんや、ホームズ以外にも正典に由来するキャラクターが登場するではないか。なんと、檸檬はワトスン博士の曾孫だったのである。更には、シャーロック・ホームズの宿敵だった人物の関係者まで……(これ以上は、現物をお読み頂きたい)。これらのおかげで、シャーロッキアンが読んでも充分楽しめる作品となっていたのである。
 ベネディクト・カンバーバッチ&マーティン・フリーマン主演のBBCドラマ「SHERLOCK/シャーロック」及びロバート・ダウニー・Jr.&ジュード・ロウ主演のガイ・リッチー監督映画『シャーロック・ホームズ』の大ヒットが起爆剤となり、空前絶後のホームズ・ブームとなっている昨今。おかげで、シャーロッキアンが悲鳴を上げるほどホームズ絡みの作品が次々に生まれ続けている。NHKで三谷幸喜脚本による人形劇が放映されたり、島田荘司が久々にホームズ・パスティーシュ長篇を執筆したり。そしてそこに『ホームズ四世』が連なることになった。わたしはホームズ・パロディ/パスティーシュに関しては「何でもアリ」派なので、こんな“変化球”も大歓迎である。

北原尚彦(きたはら・なおひこ)
作家、翻訳家、シャーロック・ホームズ研究家。コナン・ドイル作品の翻訳のほか、ホームズ関連アンソロジーの編纂を手がける。自身でも『ジョン、全裸連盟へ行く』(ハヤカワ文庫JA)、『ホームズ連盟の事件簿』『ホームズ連盟の冒険』(いずれも祥伝社)などホームズのパロディ/パスティーシュを執筆し、高い評価を得ている。『シャーロック・ホームズの蒐集』(東京創元社)は日本推理作家協会賞候補となった。

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メフィストに連載中から掟破りの設定が話題となっていた『ホームズ四世』が、ついに単行本化されます。なにごとも「世界初」というのは斬新で気持ちの良いものですが、まさかホームズ物でこのような体験ができるとは!
「ホームズの曾孫がホストになる」だけでも十分意表を突く出だしなのに、物語はいっそう波瀾万丈に展開し、ラストではとびっきりのどんでん返しが炸裂します。
「ウソ?」と思って、最初から読み直せば、その仕掛けの周到さに気づき、さらに驚くでしょう。
単行本には、メフィスト連載時に作品を彩った、たかなししんさんによる美麗イラストが多数収録されており、ホームズ・ワールドを華やかに盛り上げてくれます。
読んで、見て、「世界初」のホームズを満喫してください!

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  • 木塚響(きづか ひびき)

    木塚響(きづか ひびき)
     名探偵シャーロック・ホームズの曾孫にして、歌舞伎町のホストクラブ「ポアゾン」No.1。
     心優しきホストとして天賦の才を持つ一方、名探偵の血を継ぐ者としての使命を父から問われ、悩んでいる。ホームズの孫にあたる父の邦彦は探偵事務所を営む。
     ホスト・響の太客(ふときゃく)である加奈が失踪したことを機に、自らの中に眠る天才的推理能力を発揮することを決める。

  • 木塚響(きづか ひびき)と桐島檸檬(きりしま れもん)

    木塚響(きづか ひびき)と桐島檸檬(きりしま れもん)
     失踪した加奈の行方を追う響は、同じく加奈を捜索する美女・桐島檸檬と出会う。聡明ではつらつとした檸檬は時に響をやり込める。彼女はJHW(ジョン・ヘイミッシュ・ワトスン)探偵事務所所属の探偵……ホームズの盟友であるワトスンの曾孫だと明かす。
     響と檸檬は名(迷?)コンビで事件の深層を探っていくが、ホームズの宿敵・モリアーティの孫が立ちふさがる!? 2人が直面する、あまりにも衝撃的な真相とは?

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