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講談社ノベルス

『水の都 黄金の国』三木笙子

『水の都 黄金の国』

著者:三木笙子

発売年月日:2016/7/25単行本

定価:本体1,500円(税別)

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海に浮かぶ街、ヴェネツィア。
この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。

時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎(せいじろう)は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになって──
温かくてせつないミステリー。

水上都市で起きる難事件を、二人は“智慧”と“情”で解き明かす。

マルコ・ポーロのように東方で財を成した大富豪が、見初めた花売り娘を探す「黄金の国」
ゴンドラに乗った仮面姿の怪人が、金貨をばら撒くという「水の都の怪人」
“カサノヴァ”とあだ名された男が、魚雷の設計図を盗んで消える「錬金術師の夢」
“ガリレオの望遠鏡”を逆さにのぞいたせいで失踪した米国人を探す「新地動説」

担当者コメント

三木笙子さんの最新作は、19世紀の美しい水上都市・ヴェネツィアに読み手を連れていってくれる小説です。主人公は見目麗しいイタリア人青年と、ヴェネツィアを着物姿で闊歩する日本人青年の二人。彼らが、マルコ・ポーロ、カサノヴァ、ガリレオ・ガリレイ……など、日本人にとって、馴染み深い著名人にかかわる謎に挑む姿が描かれています。また、共通の大切な友人を亡くしてしまった二人が、その悲しみをゆるやかに癒していく姿も大きな読みどころです。
これまでの三木笙子さん作品と共通した《せつなくて温かな読後感》は、本作にもしっかりあります。通学、通勤途中のエナジーチャージや寝る前のホッとしたいひとときにお薦めできる、読むと優しい気持ちになれる連作小説です。

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