「神の時空」シリーズ第6弾『伏見稲荷の轟雷』は、題名の通り「稲荷神」がテーマです。
その社は全国に3万を超える(個人的な勧請社をカウントすれば何十万ともいわれる)ほど多く、また江戸時代には「町内に伊勢屋稲荷に犬の糞」と歌われたように、稲荷神は我々の身近に存在していました。
しかし、その稲荷に関しては、実に多くの謎があります。今までにも大勢の方々が提示され、しかし未だ完全には解かれていない大きな謎です(そもそも、どうして「稲荷」と書いて「いなり」と読めるのでしょうか?普通は読めません。)
今回、それらの謎に(無謀にも)辻曲彩音や福来陽一たちが、火地晋(かち・すすむ)の力を借りて挑みます。巳雨もグリも命懸けです。そして謎が解けた時、そこには一体どんな「稲荷」が姿を現すのか……。
ぜひみなさまも、この鎮魂の旅にご一緒いただければと思っています。
また次回作は舞台を東京に移して、シリーズ第7弾『五色不動の猛火(仮)』を予定しています。そして「五色不動」といえば、あの(以下略)
ということで鋭意執筆中ですので、こちらもよろしくお願い致します。
高田崇史(たかだ・たかふみ)
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に「QED」シリーズ、「カンナ」シリーズ、「鬼神伝」シリーズ(2011年アニメ映画化)、『軍神の血脈 楠木正成秘伝』などがある。
「お稲荷さん」と親しまれつつも、「狐」や「祟り」と結びつけて語られることの多い稲荷神社ですが、その総本宮である伏見稲荷大社が今回の舞台です。CMなどで、有名な千本鳥居を見たことがある方も多いのではないでしょうか。でも、あの鳥居はは伏見稲荷大社のほんの一部なんです。その奥にあるお山の広大さ! この稲荷山に歴史の秘密が隠されていたのです! 本書を読めば「稲荷=狐」──当たり前だと思って疑問をもたなかったこと──にひとつひとつ理由があるのだとわかり、「お稲荷さん」を見る目も変わるはずです!