この夏、別冊少年マガジンで『アルスラーン戦記』(漫画/荒川弘 原作/田中芳樹 光文社カッパ・ノベルス刊)の連載が始まり、そして9月にこの『タイタニア4<烈風篇>』が刊行されます。『銀河英雄伝説』の舞台もこの11月に9回目の幕をあげることが決まっていて(「銀河英雄伝説 第四章 前篇 激突前夜」出演:河村隆一、間宮祥太朗ほか)、田中芳樹作品から目が離せない状態です。
昨年秋、宝塚宙組の新トップスター凰稀かなめさんと、新トップ娘役実咲凛音さんのお披露目公演が「銀河英雄伝説」でした。わたしも張り切って観劇に行ったのですが、同行した先輩が「銀河英雄伝説は、古典として未来に残る傑作だ」としみじみ語っていたのを思い出します。
田中芳樹作品には、読み継がれる魅力があり、どの年代の人が読んでも面白い、大きくて揺るぎない物語があります。『タイタニア』は、『銀河英雄伝説』本編完結後から書かれた宇宙叙事詩です。タイタニア一族によって既に宇宙は統べられているところから、物語がはじまります。そして反タイタニア勢力の若き司令官ファン・ヒューリックに喫した一敗からその支配体制にひびが生じていくのです。タイタニア一族がどうなっていくのか、じっくりと描き出されていきます。
秋の夜長、どうぞお楽しみください。