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『禁忌楼』木原浩勝|講談社ノベルス

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『禁忌楼』木原浩勝 「自分史上、もっとも重い怪談集です」─怪異蒐集家・木原浩勝

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  • 2013夏の陣
『禁忌楼』木原浩勝

『禁忌楼』
木原浩勝

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禁忌に触れてしまった者たちを襲う恐怖。突然、会社が引っ越したビルの一室。誰もいないはずのフロアからガラガラガラガラと奇妙な音が鳴り響く。不審に思い部屋に近づいた会社経営者の身に起きたこととは!?怪談「錆」をはじめ5つの恐怖を、累計部数130万部の現代百物語「新耳袋」、「九十九怪談」、「隣之怪」シリーズの著者が描く!
著者コメント

初めまして、怪異蒐集家の木原浩勝です。

この度、ご縁あって「禁忌楼」という単行本を出させて頂きました。

実はこれまで10年近く講談社さんとのお付き合いがあったのですが、単行本に纏まったのはこれが初めてです。

私の肩書きとタイトルを見て頂ければお分かりかと思いますが、怖い話を綴った怪談本となっております。

たった5つの短編ですが、どの話もこれまでなかなか書きたいと思わなかった、あるいはどこに書けばいいのか決めかねていた、著者的には嫌な話ばかりです。

怪談ばかりを書いている人間がこんな事を言うと笑われるかもしれませんが、私は人の情念があまりにも強く絡んだ話を好みません。

怪異が怖いというより、その怪異を引き起こす原因そのものが怖いと感じてしまうからです。

デビューして23年、これまでの中で一番書くのに苦しんだ5話を閉じ込めた「禁忌の楼閣」の扉を是非、開けてみて下さい。

プロフィール

木原浩勝(きはら・ひろかつ) 1960年、兵庫県生まれ。1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。
1983年に『風の谷のナウシカ』を制作したトップクラフト入社。会社解散後、設立したてのスタジオジブリに入社。『天空の城ラピュタ』(制作進行)、『となりのトトロ』、 『魔女の宅急便』(制作デスク)を手がける。1990年に 退社し、現在のJホラーブームの原点となった『新・耳・袋』(扶桑社)で作家デビュー。
以来、「新耳袋」、「九十九怪談」、「隣之怪」シリーズなど次々と発表。これらは映像化や漫画化されるなど様々なメディアへと広がりを見せている。さらには木原氏自身が怪談を語るイベントが数多く開催され、人気を集める。
また怪談作家の活動以外にも書籍・ムック本などの企画・構成・執筆を行い、『空想科学読本』、『このアニメがすごい!』、『このマンガがすごい!』、『怪獣VOW』をはじめ、数多くのヒットを生み出してきた。

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一問一答

プロフィールに「怪異蒐集家」とありますが、ずばり、「怪異蒐集家」とはどんなことをする人なのでしょう。

様々な人と出会う中でいきなり「怖い体験はありませんか?」と、聞いて回る人です。

怪異に惹かれるようになったきっかけは。

小学校の3年生の時に、担任の先生が授業中、突然自身の体験談を話しだしたことがきっかけでした。その内容がそれまで読んできた本に書いてあったことと、全く性質が違い、「幽霊が出て来なくても怖い話」を知りショックを受けました。

木原さんはいわゆる「霊感」があるのでしょうか。

ありません。というより、霊感という言葉に意味があるとは思っていません。現に、これまで一度も「霊感」という言葉を書いたことはないのですよ。

木原さんの考える「怪談の魅力」は何でしょう。

その生死にかかわらず、何かをおこしてしまう人の心の強さ、かな。

日本では怪談といえば、夏。なぜ夏になったのでしょう。

江戸時代に夏の暑さから逃れるため、怖い芝居で、背筋を寒くして涼をとったことから風物詩化したと思います。

海外にも怪談はあると思いますが、大きな違いはありますか。

実際に取材をしてみて体感したことですが、幽霊の捉え方が違います。ある国では精霊だし、ある国では無視を決め込むものなど、様々です。少なくとも日本的な、白い洋服で長い髪の幽霊は出て来ませんね。

日本の怪談にも、地域性みたいなものはあるのでしょうか。

あるとしか言いようがないです。例えば幽霊が口にする言葉(方言)や、生活感のある服装で、地方性や地域性がわかる時があります。

木原さんが絶対行きたくない場所はありますか。

基本的に、怖いと言われる場所には、どこにも行きたくありませんけどね。

この作品に絡んで、何か「怪異」はありましたか。

「禁忌楼」の第3話「姑」の初校チェックをしていた時です。あの話の取材からもう6〜7年も経っているというのに突然メールが来て、「その後」の報告が届いたタイミングが怖かったです。これには大変驚いて、その場で担当編集者さんに転送したくらいです。

「怪異蒐集家」の木原さんですが、ほかにも何か「蒐集」しているものはありますか。

怪獣とロボットと、戦艦や飛行機などのメカ物のフィギュアが大好物です。既に段ボール箱が100箱近くあります。

最後に、読者のみなさんに一言。

本書を読んで「このような体験でも良いのなら……」と思わず膝を打った方、是非ともお話を聞かせて頂きたく存じます。講談社「禁忌楼」担当者宛にお手紙下さい。

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担当者コメント

新宿ロフトプラスワンをはじめ、多くの会場で行われる怪談イベントが、毎回プラチナチケット化するほど人気のある木原さんの新シリーズが始まりました。

いわゆる「実話怪談」と呼ばれる木原さんの作品。たくさんの方々に会い、綿密な取材を重ねたうえで、これぞという体験を本にするそうです。これまで「新耳袋」、「九十九怪談」、「隣之怪」などヒットシリーズを手掛けられましたが、今作『禁忌楼』は、それらとは違う思いで書かれたとのこと(どう違うのかは一問一答コーナーで)。

いろんな思いや念みたいなものがあったのでしょうか、執筆中の木原さんは「この怪談集は本当に重い」とたびたび口にされ、憑き物落としで有名な神社にも行かれました。その他にも不思議なことがいくつかあったようです。そうそう、『禁忌楼』の作業をしている担当編集者にも不可解な出来事がありまして……。

夏の夜にいかがですか?

木原浩勝さんイベント開催決定! 7月25日(木)に「松江怪談談義」が行われます。談義の後にはサイン会も!

詳細はこちら>>
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2013夏の陣

【既刊リスト】

■ 『九十九怪談』第六夜) 角川書店

■ 『隣之怪 第五夜 主人の帰り』 角川書店

『禁忌楼』

『禁忌楼』
講談社

【映画】

「怪談新耳袋殴り込み! 劇場版魔界編」〈前編〉〈後編〉

「怪談新耳袋殴り込み! 劇場版魔界編」〈前編〉〈後編〉
7月13日(土)〜 渋谷シネパレスにて、2週間限定レイトショー他全国順次公開

【DVD】

「怪談新耳袋殴り込み! 劇場版地獄編」〈前編〉〈後編〉

「怪談新耳袋殴り込み! 地獄編」〈前編〉〈後編〉
2013年7月10日 DVD2枚同時リリース
発売・販売元:キングレコード

「怪談新耳袋殴り込み! 劇場版魔界編」〈前編〉〈後編〉

「怪談新耳袋殴り込み! 劇場版魔界編」〈前編〉〈後編〉
2013年8月7日 DVD2枚同時リリース
発売・販売元:キングレコード

【TV】NEW !!

フジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」に木原浩勝氏出演!
日時:2013年8月1日 19:57〜20:54
http://www.fujitv.co.jp/unb/index.html

【イベント】

「新耳袋92」
木原浩勝 presents 深夜の怪談トークライブ第92回目
日時:2013年8月10日 開場24:00/開演24:30
場所:新宿ロフトプラスワン
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/

「平成の業界人SP」にゲスト出演決定!
日時:2013年8月11日 開場20:15/開演20:30/終演22:00
場所:神保町花月
http://jimbocho.laff.jp/talk_schedule/2013/08/sp-aea5.html
平成ノブシコブシ・吉村
ゲスト:木原浩勝、森下悠里(グラビアアイドル)
前売:1,500円 当日:1,800円
★チケット発売日:2013年7月25日

SOLD OUT

【朗読会】

「怪し会(あやかしかい)〜陸(6)」
声優の茶風林(ちゃふうりん)の企画・演出による、現代実話怪談集「新耳袋」
「隣之怪」などを原作とした怪談朗読会
ゲスト:木原浩勝
日時:2013年8月22日〜25日
場所:真言宗豊山派もっとい不動 密蔵院 東京都江戸川区鹿骨4−2−3
公式サイト:http://www.tambourine.co.jp/ayakashikai/

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