プロフィールに「怪異蒐集家」とありますが、ずばり、「怪異蒐集家」とはどんなことをする人なのでしょう。
様々な人と出会う中でいきなり「怖い体験はありませんか?」と、聞いて回る人です。
怪異に惹かれるようになったきっかけは。
小学校の3年生の時に、担任の先生が授業中、突然自身の体験談を話しだしたことがきっかけでした。その内容がそれまで読んできた本に書いてあったことと、全く性質が違い、「幽霊が出て来なくても怖い話」を知りショックを受けました。
木原さんはいわゆる「霊感」があるのでしょうか。
ありません。というより、霊感という言葉に意味があるとは思っていません。現に、これまで一度も「霊感」という言葉を書いたことはないのですよ。
木原さんの考える「怪談の魅力」は何でしょう。
その生死にかかわらず、何かをおこしてしまう人の心の強さ、かな。
日本では怪談といえば、夏。なぜ夏になったのでしょう。
江戸時代に夏の暑さから逃れるため、怖い芝居で、背筋を寒くして涼をとったことから風物詩化したと思います。
海外にも怪談はあると思いますが、大きな違いはありますか。
実際に取材をしてみて体感したことですが、幽霊の捉え方が違います。ある国では精霊だし、ある国では無視を決め込むものなど、様々です。少なくとも日本的な、白い洋服で長い髪の幽霊は出て来ませんね。
日本の怪談にも、地域性みたいなものはあるのでしょうか。
あるとしか言いようがないです。例えば幽霊が口にする言葉(方言)や、生活感のある服装で、地方性や地域性がわかる時があります。
木原さんが絶対行きたくない場所はありますか。
基本的に、怖いと言われる場所には、どこにも行きたくありませんけどね。
この作品に絡んで、何か「怪異」はありましたか。
「禁忌楼」の第3話「姑」の初校チェックをしていた時です。あの話の取材からもう6〜7年も経っているというのに突然メールが来て、「その後」の報告が届いたタイミングが怖かったです。これには大変驚いて、その場で担当編集者さんに転送したくらいです。
「怪異蒐集家」の木原さんですが、ほかにも何か「蒐集」しているものはありますか。
怪獣とロボットと、戦艦や飛行機などのメカ物のフィギュアが大好物です。既に段ボール箱が100箱近くあります。
最後に、読者のみなさんに一言。
本書を読んで「このような体験でも良いのなら……」と思わず膝を打った方、是非ともお話を聞かせて頂きたく存じます。講談社「禁忌楼」担当者宛にお手紙下さい。