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メフィスト賞大特集!|講談社ノベルス

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受賞作品 4月、5月、6月連続刊行! メフィスト賞大特集!

「メフィスト賞と幻の短編」 天祢 涼メフィスト賞に投稿した作品は計8作。2作目からは次回以降の予告4回分も送っていた。アイデアの多さを見せている気でいたが、デビュー後、担当P氏から「座談会で失笑気味に扱ってました」と教えられた。先輩メフィスト賞作家からは「もう少しで『困った常連さん』でしたね」と云われた。
しかし、一刻も早く小説家になりたくてやったことなので、後悔はない。
応募規定外の短編を送ったことも、同じく後悔はない。
あれは5作目「誤解の果て」を書いた時のこと。この作品は「殺人容疑をかけられたサラリーマンが、優秀な妹に暗い情念を燃やす」というストーリー。傑作を書き上げたと思った私は、自信を持って知人に見せた。
が、読み終えた知人の反応は。
「ああ、うん……」
どん引きしている人間の顔を初めて見た。
おかげで我に返った。「誤解の果て」は読んだ者が不快感を抱かずにいられない、気色悪い小説だったのだ。
こんなものを送っては、受賞は未来永劫ない。とはいえ、新作長編を書いている時間はない……そこで捻り出した策が、「誤解の果て」とは反対の、読んだ者が笑わずにいられない短編を同封することだった。これで気色悪さを中和しようと目論んだのだ。
かくして短編「如樹津(じょじゅつ)探偵、最後の事件」が誕生した。叙述トリックをおちょくったバカミス。ゼロから構想し二日で完成。私の執筆最速記録である。
無論、こんなやり方でいい小説が書けるはずない。気色悪さも中和できない。時間の無駄だった。
しかし、その必死さには、我ながら敬意を表したい。「一刻も早く小説家になりたい!」という気迫が伝わってくるではないか。
幸運にも小説家になれた今、当時の自分に恥じぬよう精進していきたい。
なお、この短編は文三の誰一人として話題にしてくれたことはなく、どうなったのかも知らない。別に知りたくもないが、『0(ゼロ)番目の事件簿2』刊行の折はぜひお声がけを。

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