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2012年度講談社ノベルス大特集!|講談社ノベルス

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2012年度 講談社ノベルス大特集!

編集者が選ぶ・2012この本が凄い!

キャラクターが凄い!
編集 寅『やぶへび』
編集 辰『ついてくるもの』

『やぶへび』
大沢在昌主人公の甲賀は、女と付き合うと必ず泥沼にはまってしまう「マイナスの女好き」という愛すべきキャラクター。刑事の職を棒にふってしまったのも女絡み、という筋金入りの人物です。そんな甲賀が、“偽装結婚”をした中国人女性を突如保護するハメになり、またしても“女難”が!? どんな“泥沼”が待っているか、ぜひともお確かめを!

『ついてくるもの』
三津田信三怖い夢の続き、憑依された雛人形、得体の知れない隣人、変化していく絵柄、入らずの森、居るはずのない子供……実話のような都市伝説のようなエピソードの数々。怖いもの見たさで読んでしまいます。姿かたちがはっきりしない、素性が分からないという逆の意味でキャラが際立っている。だからこそ怖い。

編集 卯『怪盗グリフィン、絶体絶命』
編集 P『魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿』

『怪盗グリフィン、絶体絶命』
法月綸太郎かわいくってカッコいいグリフィンが、子どものころに読んだ冒険小説の主人公のように大活躍します。もちろん、ミステリーとしても極上です!

『魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿』
田中芳樹「気持ちいい小説を読みたい」とお考えの皆様、この作品をオススメします! なんたって痛快で爽快なのですから。警察官僚・薬師寺涼子(お涼サマ)は悪いヤツらを蹴散らし、権力のある人をかわいがり(←辞書の一番目に載っている意味ではなく)、そして怪事件を解決へ導きます。でも部下の泉田クンに対しては愛らしい一面も。太田忠司さんは称されました「史上最強のツンデレ」と。まさにその通り! 広大なシベリア大陸でどんなヤツらが待ち受けているのか事件部分も読み応えある今作。ロングヒットを続けるシリーズをぜひお読みください!!

編集 Y『名被害者・一条(仮名)の事件簿』
編集 U『悲鳴伝』

『名被害者・一条(仮名)の事件簿』
山本弘名探偵と対極の存在として、事件に巻き込まれるという、<名被害者>。そのキャラクター力に脱帽!

『悲鳴伝』
西尾維新「少年よ、逃げろ。」というキャッチコピーの本作。「逃げろ」と言われているのは、主人公・空々空。共感力ゼロで無感動な性格のせいで、「英雄」になって戦わざるを得なくなるという、大変な運命を背負わされた13歳の少年です。なんて英雄に向いていない性格! かと思いきや、そんなことはありません。ある絶対的な理由から、彼しか英雄にはなりえないのです。続編『悲痛伝』の刊行も2013年2月末に決定しました! まずは『悲鳴伝』で空々空の英雄譚の始まりをご覧いただければと思います。

トリックが凄い!
編集 寅『書物審問(ランキジシォン)』
編集 辰『奇面館の殺人』

『書物審問(ランキジシォン)』
赤城毅大好評「書物シリーズ」の第6弾は、稀覯本の宝庫「書物城」が舞台です。城に架かる唯一の橋が爆破され、外部との連絡がとれなくなり……と、まさに“王道”の展開ですが、本が絞首刑の如く吊るされて“殺されていく”など、そこは書物が題材の作品ならではの趣向もたっぷり。「書物城」に秘められた謎をご堪能ください!

『奇面館の殺人』
綾辻行人そんなのアリ!? 事件解明の過程で叫びたくなる。でも、綾辻行人さんはアリなんです。ちゃんと冒頭から伏線を張っている。読み進めるとあとで判ります。探偵・鹿谷(ししや)を呼んだ依頼人は作家なので、名前がペンネームだったのがミソ……おっと、これ以上は言えない。被った仮面が脱げなくなる招待客たち。そして、指が切り取られた首なし死体。固定電話は壊され、携帯の電波が届かない山奥。インターネットのインフラもない。周囲は雪に閉ざされ密室状態。館の設計はこのシリーズでおなじみの建築家・中村青司だ。そそられます。読者を惑わす記述が、見方を変えれば重要な手がかりになり、悪戯心たっぷりです。

編集 卯『不可能楽園〈蒼色館〉』
編集 P『奇面館の殺人』

『不可能楽園〈蒼色館〉』
倉阪鬼一郎その「凄さ」をここに書けないのが本当にもどかしい! 幻惑&目眩必至の倉阪トリックが炸裂する本作は、バカミスを超越した大傑作です!

『奇面館の殺人』
綾辻行人今作は「館」シリーズ初期作品を彷彿とさせる直球勝負の新本格です。ところが設定は前例のない異様なシチュエーションで繰り広げられるもの。この懐かしさと新しさが、綾辻・館ミステリの神髄と言えます。緻密な構成、思わぬ謎、端整な文章に酔いしれて下さい、楽しんで下さい、謎解きに挑戦してみて下さい。でも最後に騙されることでしょう。ちなみに私はまんまと騙されました! 名手・綾辻行人さんが技巧の限りを尽くした「超絶品」のミステリです!!

編集 Y『奇面館の殺人』
編集 U『水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係』

『奇面館の殺人』
綾辻行人言わずとしれた館シリーズ、第9弾! 精緻に編み込まれた本格ミステリの世界をご堪能ください。

『水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係』
麻見和史本書はただの警察小説ではありません! 鮎川賞を受賞してデビューした本格ミステリ作家・麻見和史さんならではの、緻密な伏線が張り巡らされている警察ミステリです。殺人現場は真っ赤に染まった「赤い部屋」――奇妙な事件を追うのは、警視庁捜査一課十一係のエース・鷹野と新人女刑事・如月塔子。捜査を進める中で、都内で連続爆破テロ事件が発生してしまい、特捜本部は大混乱に陥ります。事件の真相をはじめて読んだ時、鮮やかな謎解きに仰天しました。ミステリ好きな方は、要チェックです!

編集者の目にも涙!
編集 寅『宇宙海兵隊ギガース6』
編集 辰『アクエリアム』

『宇宙海兵隊ギガース6』
今野敏11年にわたったシリーズがついに完結。著者自ら「この最終章を書きたいがために、この物語を書き始めた」という最終巻には、戦うこととは? 人類にとっての戦争とは? という大きなテーマが秘められています。その熱き想いに思わず……。宇宙の深遠さとともに、お楽しみを。

『アクエリアム』
森深紅全寮制の女子校が舞台で、文字通り純粋培養の彼女らは、自分の育った環境が隔絶された社会であることに気付かない (ジム・キャリーの映画『トゥルーマン・ショー』を思い出すなぁ)。背後では驚愕の国家プロジェクトが動いている。自由をとるか平穏をとるか、瞳子(とうこ)が生きる道への選択を迫られる場面に胸が熱くなります。それは「大人への階段」でもあります。最後に再登場する彼女は、あの“綾波レイ”と同類であるかのような余韻も残します。

編集 卯『カンナ 京都の霊前』
編集 P『アケローンの邪神 天青国方神伝』

『カンナ 京都の霊前』
高田崇史巨編シリーズの完結第9作です。明かされる「歴史の闇」の壮大さだけでなく、主人公、甲斐や貴湖たちが繰り広げてきた青春群像劇の結末も感動です。

『アケローンの邪神
天青国方神伝』

高里椎奈ファンタジーの新シリーズが誕生しました! 「ドラゴンクエスト」などのRPGに熱中した経験があれば、特にこの世界は入りやすいと思いますよ。少年が謎解きと戦いに挑むという心躍る展開ながら、描かれている出会いや別れ、心の動きにグッとくること間違いありません。これぞ高里ファンタジー! 1作目だけではなく2作目『バラトルムの功罪』とあわせて講談社ノベルス“ファンタジーの女王”の神髄をご堪能ください!

編集 Y『虹果て村の秘密』
編集 U『アクエリアム』

『虹果て村の秘密』
有栖川有栖 虹の伝説が残る村で起こる事件とは!? 目に映るすべてのものが眩しかった、子どもの頃を思いだします……。

『アクエリアム』
森深紅小松左京賞を受賞してデビューした森深紅さんの、講談社ノベルス初の作品となった本作。許可のない外出の禁止、制服着用の絶対、不純な交遊の禁止――「人魚姫の禁忌」と呼ばれる三大校則を掲げる全寮制の女子校・遠海学園を舞台に、中等科三年生の瞳子と遊砂が、自分たちに付けられた数字(コード)の謎を追いながら、やがて、自分たちの世界が閉ざされたものであることに気がつきます。瞳子と遊砂、二人の少女がとても魅力的で、真実が気になって先へどんどん読み進めてしまいます。ラストは涙なしには読めません。

編集者が太鼓判!
編集 寅『プライベートフィクション』
編集 辰『原爆ドーム 0磁場の殺人』

『プライベートフィクション』
真梨幸子『殺人鬼フジコの衝動』の大ヒットでブレイク中の著者が、自らになぞらえたかのような舞台を設定。ブレイクした作家の過去に秘められた「女の悪意」とは、果たして誰の、どのようなもの? 話題作『みんな邪魔』の前日談にもあたる、まさに「イヤミス」の決定版ともいえる作品は、超おすすめです!!

『原爆ドーム 0磁場の殺人』
吉村達也志垣警部&和久井刑事の「世界遺産シリーズ」2作目。怨恨で虐殺されたと見られる横浜の風俗嬢。被害者は広島出身だが、遺体にあった数字0のタトゥーの謎を探るため、捜査は長野県にあるパワースポット、分杭峠のゼロ磁場に及ぶ。一方、カリスマ主婦・紫帆(しほ)の夫が原爆のことを書いたブログが炎上し、事件は18年前のリンチ殺人にまで拡がりを見せるが……。
軽妙なタッチの文章が先を急ぎたい気持を煽り、事件発生から犯人逮捕まで一気に読めます。また、本編には太平洋戦争について新たな問題提起がされた、社会派のサブストーリーも描かれています。シリーズの続編も読みたいですが、これが名匠・吉村達也さんの貴重な遺作になりました。

編集 卯『神様ゲーム』
編集 P『猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数』

『神様ゲーム』
麻耶雄嵩もし小説にR指定があるならば……なんてことを考えずにはいられなくなる怪作。小学生の日常生活に、鋭い刃のような物語の謎を突きつけます。必読です!

『猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数』
北山猛邦去年はこの質問の回答として北山さんの『私たちが星座を盗んだ理由』を挙げましたが、今年も北山さん推し! 女性名探偵の猫柳さんは何だかほっとけないし、学生生活はイキイキと描かれていて楽しいし、そして孤島を舞台にしていて本格ミステリ部分も満足できるし。是非読んでみてくださいね。私の言うことに賛同して頂けることでしょう。そうそう、来年1月にはシリーズ新作『猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条』が発売される予定ですので、あわせてお楽しみください!!

編集 Y『無貌伝 〜探偵の証〜』
編集 U『光待つ場所へ』

『無貌伝 〜探偵の証〜』
望月守宮 間違いなくシリーズ最高傑作! 衝撃の結末を原稿で読んだとき、「望月せんせぇ……!」と呟かずにいられませんでした。

『光待つ場所へ』
辻村深月メフィスト賞を受賞してデビューされた辻村深月さん。今年は直木賞を受賞されて、ますますの人気を集めています。デビュー作から連なる、瑞々しい青春小説を中心とした「辻村深月ワールド」の作品たちは、私たちが日常感じるふとした感情、学生時代に感じた気持ちを、鮮やかに物語として思い出させてくれます。本書は、そんな「辻村ワールド」の最新作。読後、一歩前に踏み出させてくれるような、勇気をくれる物語たちです。

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部長L ノベルス総括一問一答

2012年ももうすぐ終わり。そこで2012年の講談社ノベルスは、メフィスト賞はどうだったのか……文芸図書第三出版部・部長Lが総括します。

L部長にとって「ノベルス」とは。

書き下ろし小説を読むのにもっとも贅沢で読者にやさしいかたちだと思っています。軽いし、単行本より安いし、判型がそろっていて整理しやすい。シリーズ作品が多いので、ある一冊を非常に面白いと感じたら、ほかのシリーズ作品を何冊も楽しめる。いいところばかりですよ!
ノベルスの良さをもっと多くの方に知っていただけるよう、今後も面白くて個性的な作品を連発していきます。

2012年は、講談社ノベルスにとってどんな年だったでしょうか?

30周年を迎え、よい年だったと思います。綾辻行人さんの『奇面館の殺人』、法月綸太郎さんの『キングを探せ』ではじまり、西尾維新さんの『悲鳴伝』、田中芳樹さんの『魔境の女王陛下』、高田崇史さんの『カンナ』シリーズの完結と続き、11月には4年ぶりに森博嗣さんのGシリーズ『ジグβは神ですか』を刊行することができました。
年末のミステリーベスト10にも何作もランクインしました。

2012年、一番の事件は。

メフィスト賞を受賞してデビューされた舞城王太郎さんと辻村深月さんが、それぞれ芥川賞と直木賞に同時ノミネートされたことでしょうか。

文芸図書第三出版部とはどんなところ?

編集部員はおそろしく働き者です。ときどき不安になるくらい働いています。自分たちが面白いと思った作品を多くの読者に届けたい! という空気が充満しています。

2013年の予定を少し教えてください。

メフィスト賞受賞作を3タイトル、自信を持って連続刊行します。まず第一弾は2月27日刊行予定の『図書館の魔女』(上下巻)。超大作ファンタジーです。そして4月初旬には『眼球堂の殺人』、4月末には『黄金の蛇(仮)』と続きます。
西尾維新さんの『悲痛伝』、辻村深月さんの長編書き下ろしも春までには刊行できる予定です。来年も文芸図書第三出版部にご注目ください!

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2012年度 講談社ノベルス刊行リスト

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