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『カンナ 京都の霊前』高田崇史|講談社ノベルス

講談社ノベルス

『カンナ 京都の霊前』高田崇史 破邪顕正!! 歴史アドベンチャーシリーズ堂々完結! 非実在聖徳太子の正体とは!? 今、日本史の常識が覆る!

著者コメント

去年の「QED」シリーズ「千波くん」シリーズに引き続き、全9冊の「カンナ」シリーズも完結となりました(かといって新シリーズは全く未定なので、さてこれからどうしようかと考えている真っ最中です)。
今回の『カンナ 京都の霊前』で、このシリーズも大団円を迎えるわけですが、ついに『蘇我大臣馬子傳暦』の全貌が明らかになります。果たしてそこに書かれていたのは……ということで、その具体的な内容については、ぜひ本文をお読みください。
同月に、文庫『カンナ 吉野の暗闘』も上梓されます。そちらは真中耕平さんに解説をお願いしました。このシリーズの本質に迫るお話が書かれていますので、そちらも併せてお読みいただければと思います。
また、本文中に登場します『蘇我大臣馬子傳暦』の漢文創作は、元駿台予備校古文科専任講師(元祖マドンナ先生)高橋いづみさんにお願いしました。
はからずも高橋さんは偽書作り(の共犯?)に手を染めてしまわれたわけですが、その際に色々なお話も聞かせていただきました。ありがとうございます。
と……そんな部分も、何となくお楽しみいただけたらと思っています。

プロフィール 高田崇史(たかだ・たかふみ) 昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。
『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー。

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イラストレーター&デザイナーコメント

シリーズ全作品のカバーを手がけてくださった、デザイナー・坂野公一さん、イラストレーター・多賀泰孝さんに制作裏話をお訊きしました!

デザイナー坂野公一さん

【コメント】

「カンナ」シリーズのスタートにあたり、同じ高田先生の作品で装幀を担当させていただいていた「QED」シリーズとの差別化を図るため、エンターテイメント性を意識しました。
イラストレーターさん選定の段階で、コンピューターグラフィックで和風の絵を描ける方と組むとおもしろいものができそうということになり、多賀さんに装画をご依頼しました。
結果的に、「QED」シリーズの雰囲気もふまえつつ、現代的な感覚を取り入れた新しい世界観を表現できたとおもいます。

【気に入っているデザイン、大変だったデザイン】

気に入っているのは、シリーズ第2作の『カンナ 天草の神兵』です。
黒をベースとしたシックな仕上がりになったとおもいます。
多賀さんが明快なモチーフを魅力的に描いてくださったおかげで、画面も引き締まりました。
『カンナ 飛鳥の光臨』は、シリーズ第1作目で試行錯誤したこともあり、思い入れの強い1冊となっています。
大変だったのは、話の内容を絵にしづらく、メインモチーフを選定するのが難しかった巻でしょうか。
デザイン処理的に苦労した部分もありましたが、多賀さんに何度も調整を重ねていただいたおかげで、無事完成にこぎつけることができました。
また、各巻何気なく仕上がっているように見えますが、「カンナ」シリーズのカバーは毎回、メインモチーフ、社寺のほかにも人物や小物など、必要なアイテムが大変多く、特に社寺は細かい部分の再現も要求されるため、それらをCGで描き起こす労力は相当なものだったとおもいます。多賀さんには頭が下がるばかりです。

プロフィール 坂野公一(welle design) 1970年神戸市出身。
杉浦康平氏に師事したのち、2003年に独立、welle designを設立。
辰巳四郎氏亡き後、その仕事を引き継ぎ、高田崇史、綾辻行人、京極夏彦、森博嗣氏らの講談社ノベルスシリーズのカバーデザイン多数。

イラストレーター多賀泰孝さん

【コメント】

限られた時間で人物や神社などを3DCGで制作する事は、手間のかかる細かな作業で大変でしたが、日本の歴史的な建造物や彫刻などの美術品をモチーフにした作品創りは、とても興味深く取り組むことができました。
イメージイラストが読者の方々を面白いストーリーへと導き、シーンをイメージする手助けとなる役割ができたなら幸いです。

【気に入っているデザイン、大変だったデザイン】

気に入っているものは、『カンナ 奥州の覇者』のイラスト。背景の墨絵は坂野さんの方で構成していただきましたが、奥州の山の素朴な背景がアテルイの力強い首像をより引き立てて、アテルイの底力を感じさせるような印象的なカバーに仕上がりました。 大変だったものは、『カンナ 鎌倉の血陣』の鶴岡八幡宮と『カンナ 天満の葬列』の太宰府天満宮の制作です。細かなパーツと装飾が多いので手間がかかりました。
神社仏閣制作は、現物を見たり三面図のようなものがあるわけではないので、資料となる写真をもとに制作しました。まず、できる限り創る神社の写真を集めました。構造がわかるように正面、側面、背面、斜めなどいろんなアングルの写真や装飾のディテールがわかるような写真を数多く集めました。ありがたい事にネットで探すと結構ありました。神社仏閣全体が写る写真(斜め図)を下絵にして、全体の形を立方体や円柱、三角柱などの基本体を組み合わせて創ります。それをもとに徐々にディテールを創り込んでいきます。

プロフィール 多賀泰孝 1961年富山県出身。1984〜1989年 東京都の広告製作会社にグラフィックデザイナーとして勤務。1990〜富山県にもどり、フリーイラストレーターとなる。粘土造形による立体イラストとコンピュータ・グラフィック (2D、3D)などの技法を用いて、広告や出版のためのイラストレーション制作を行う。アドビデザインコンテスト入賞、DIMENSIONAL ILLUSTRATION AWARDS USA金賞、ニューヨークSOCIETY OF ILLUSTRATORS 36TH ANNUAL国際部門銀賞などを受賞。

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担当者コメント

闇に葬られた「裏の日本史」を追い求めた甲斐たちの旅もついに最終巻! シリーズで描かれてきた「隠された歴史」が繋がり、恐るべき歴史の真実を白日の下にさらけだします! これを読まずして、歴史ミステリを語ることなかれ……。刮目してご覧ください!

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高田崇史さんによるカンナシリーズ解説

『カンナ 飛鳥の光臨』

『カンナ 飛鳥の光臨』
「大和は国のまほろば(中略)大和しうるはし」『古事記』
闇に葬られた「裏の日本史」が甦る!
知られざる真実に震撼する歴史アドベンチャー!!
講談社ノベルス
講談社文庫

高田さんコメント

飛鳥大仏や蘇我馬子首塚と初めて対面した時に受けた衝撃と寂寥感は、想像以上のものがありました。特に1300年以上の時を経て同じ場所に鎮座しているという事実に驚いたのはもちろん、そこには地元の人々の畏怖と、深い愛情が注がれてきたのだなあとしみじみ感じました。

『カンナ 天草の神兵』

『カンナ 天草の神兵』
「此城内の衆は、後生までの友達たるべく候間、指南次第に仕るべく候事、」『四郎法度書』益田四郎ふらんしすこ
悲劇のカリスマ『天草四郎』の驚くべき正体とは!? 講談社ノベルス
講談社文庫

高田さんコメント

天草四郎の名前解読のアイディアは、まさに天からの声でした。熊本から天草へ渡り、原城跡・島原城とまわって来ましたが、その時はまだ、まさかこんな結論に達するとは思っていませんでした。天からの声は、家の近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいたら突然降ってきたのでした。

『カンナ 吉野の暗闘』

『カンナ 吉野の暗闘』
「この山の土石、みなことごとく黄金なり」『役行者絵巻』
流罪の呪術者『役小角(えんのおづぬ)』こそヒーローだった!? 講談社ノベルス

高田さんコメント

真冬の吉野山へ行きました。そして金峯山寺本堂で護摩供にも参列させていただき、その後、般若心経を唱えながら本堂を巡らせていただきました。物凄く寒かったですが、とても良い体験になりました。ちなみにこの寺は節分には「福は内、鬼も内」と唱えます。

『カンナ 奥州の覇者』

『カンナ 奥州の覇者』
「東の夷の中に、日高見国有り。(中略)亦土地壌えて曠し。撃ちて取りつべし」『日本書紀』
伝説の猛者『アテルイ』を追いつめた真実とは? 講談社ノベルス

高田さんコメント

宮城・岩手とまわりながら、北上市では「鬼の館」という資料館に立ち寄りました。鬼に関する資料がとても充実していて、後の『戸隠の殺皆』の参考にもさせていただきました。また、大阪の片埜神社にもお参りしました。隣接する公園には、アテルイの首塚があります。

『カンナ 戸隠の殺皆』

『カンナ 戸隠の殺皆』
「阿波礼や この麻倉に 八百の大神 降りましませ」『戸隠神社 太々神楽』
高天原のリーダー『天照大神(あまてらすおおみかみ)』は暗殺された!? 講談社ノベルス

高田さんコメント

長野駅は雨だったのですが、戸隠神社に到着した頃には雨も上がり、あたり一面はフィトンチッドの香りが溢れていました。そのまま奥社へと歩き、その勢いを駆って「戸隠忍法資料館」へ行きました。子供騙しだなどとバカにできない、非常に楽しいテーマパークでした。

『カンナ 鎌倉の血陣』

『カンナ 鎌倉の血陣』
「此の里に 悲しきものの二つあり 範頼の墓と 頼家の墓と」正岡子規
新時代を築いた鎌倉源氏はなぜ三代で滅んだのか? 講談社ノベルス

高田さんコメント

鎌倉に関しては『QED』や『鬼神伝 龍の巻』でも取り上げていますが、まだまだ謎の多い時代です。なので、また機会があればぜひ取り上げてみたいテーマの一つです。特に「修善寺」に絡む数々の疑問などに関しても、機会を見てきちんと書きたいと思っています。

『カンナ 天満の葬列』

『カンナ 天満の葬列』
「世を挙げて云はく、菅帥の霊魂、宿忿の為す所なりと」『日本紀略』
宿命を生きた『菅原道真』は本当に大怨霊だったのか!? 講談社ノベルス

高田さんコメント

菅原道真公に関しては、いつか書かなくてはと思っていました。その業績を調べれば調べるほど、とても怨霊とはほど遠いと感じていたからです。太宰府天満宮まで足を運び、うららかな陽射しの中を歩いているとますますその感を強くしたので、一息に書き上げました。

『カンナ 出雲の顕在』

『カンナ 出雲の顕在』
「八雲立つ出雲の国は、我が静まり坐す国と」『出雲国風土記』
出雲大社が荒ぶる神『素戔嗚尊(すさのおのみこと)』を追放した真意は!? 講談社ノベルス

高田さんコメント

出雲も『QED』で取り上げました。しかしこちらは、また少し違う切り口で書いてみました。来年の平成25年(2013)には、伊勢神宮と共に出雲大社も大遷宮が執り行われます。実に歴史的瞬間です。おそらくそこには、桑原崇や鴨志田甲斐たちも足を運ぶのでしょうか。

『カンナ 京都の霊前』

『カンナ 京都の霊前』
「辛国の城に、始て八流の幡と天降って、吾は日本の神と成れり」『八幡宇佐宮御託宣集』
破邪顕正!! 歴史アドベンチャーシリーズ堂々完結! 非実在聖徳太子の正体とは!? 今、日本史の常識が覆る! 講談社ノベルス

高田さんコメント

日本各地をまわって来ました「カンナの旅」も、やはり京都で「京(あがり)」となります。『蘇我大臣馬子傳暦』の内容も、一部明らかになりましたが、その他に一体何が書かれていたのか。そしてそれが、本当に現代まで通じている話なのか。真実の日本の歴史はどこにあるのか。そんなことを何となく考えていただけたら、作者としてこれにまさる幸せはありません。

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「カンナ」シリーズ完結記念 オリジナル「ほうろく」付箋300名プレゼント

【オリジナル「ほうろく」付箋 応募方法】
『カンナ 京都の霊前』帯袖についている応募券を切り取り、郵便ハガキに貼付のうえ、郵便番号、住所、氏名、電話番号を明記して、下記宛先までお送りください。

【送り先】
〒112−8001
東京都文京区音羽2−12−21
(株)講談社 文芸図書第三出版部
「ほうろく」付箋プレゼント 係

【応募締め切り】
2012年9月10日(月)当日消印有効

当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。抽選は9月中に行い、発送は10月上旬の予定です。なお、お送りいただいた個人情報は当企画の発送以外には使用いたしません。

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QEDシリーズ

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    『QED 東照宮の怨』
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