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2011講談社ノベルス大特集!|講談社ノベルス

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2011年度 講談社ノベルス大特集!

編集者が選ぶ・2011この本が凄い!

キャラクターが凄い!
編集δ

『書物幻戯(リイリュジオン)』赤城毅 秘密をはらんだ本を、あらゆる手段を用いて入手する、「書物狩人」シリーズの第4弾です。書物狩人(ル・シャスール)の凄腕ぶりが、初の長編で、パワーアップ! 宿敵、書物偽造師(ミスター・クラウン)との「直接対決」で、二人のキャラがぶつかり合う様子は、読み応え充分です。11月に刊行される「書物輪舞(ラ・ロンド)」と併せて、お楽しみください。

編集ζ

『スパイダーZ(ゾーン)』霞流一 マジヤバイです! 編集者生活○×年にして、これほどの超絶キャラクターは初めての出会いでした。主人公の唐雲蓮斗は刑事です。正義に燃えています。でも、彼の場合は「燃えて」いるのではなく「萌えて」いるのかも……そう、唐雲は正義をやみくもに偏愛しているのです。正義を極限まで偏愛すると、人はどうなるのか? その答えが唐雲蓮斗というキャラクターです。ここでその人となりを詳しく書いて、皆様にもその魅力の一端をお知らせしたいのですが、それはできません。なぜなら正義を全うするためのあらゆる活動は、人知れず、孤独に行われるものだから(笑)。とにかくご一読を!

編集P

『咸陽の闇』丸山天寿 秦の時代の中国、巫医・徐福とその弟子たちが都・咸陽で起きる奇怪な事件に挑む歴史ミステリー。数多くの弟子たちがそれぞれの特技を活かして鮮やかな謎解きを行い、難敵とバトルをするという、これぞエンタメと言える読みどころたっぷりの作品です。それぞれのキャラクターたちの姿が気持ちいい! 山田風太郎作品を彷彿とさせるといっても過言じゃありません。始皇帝の生前墓(兵馬俑)が舞台となるスケールの大きい痛快冒険活劇をぜひお楽しみ下さい。

編集Y

『完全版 地獄堂霊界通信』?〜?香月日輪 目まぐるしく動き回る三人悪(てっちゃん、リョーチン、椎名)の活躍は必見です! 生まれ変わった「地獄堂」シリーズ、セカンドシーズンがついに完結しました。少年たちの真っ直ぐな思いが胸を打つこの作品、来年には、サードシーズンとして、新作書き下ろしも計画中です!

編集U

『百鬼夜行殺人事件』赤川次郎 迫力の風貌、豪快な笑い声、周囲の迷惑を顧みない大胆不敵な行動――この条件に当てはまる最強最悪の刑事といえば、大貫警部を措いて他にはいないでしょう。本書には大貫警部が挑んだ五つの難事件を収録。表題作の「百鬼夜行殺人事件」には、人間の業を知り、思わずブルッと震える恐さがあります。そしてなんと、格好良い大貫警部にも出会えます! 最高の見せ場は、カバーに描かれている○○のシーン。近くにいると大変だけれど、きっと好きになってしまう、大貫警部とはそんな魅力溢れるキャラクターなのです!

編集X

『メルカトルかく語りき』麻耶雄嵩 銘探偵メルカトル、その悪漢ぶりがますますヒートアップするも、怜悧な論理で意外すぎる真実の数々を暴く! メルカトルは常に無謬なのです。振り回される美袋のMキャラっぷりにもご注目ください。

トリックが凄い!
編集δ

『バミューダ海域の摩天楼』柄刀一 バミューダ海域で消息を絶った空軍輸送機。ドラゴンに呑み込まれてしまったのか!? ウェルズリー工科大学のDrショーインこと13歳の松陰博士が、理解不能な事件に、明晰な頭脳と最新機器を駆使し、推理するミステリーは、「地球の謎」にまで及ぶスケールの大きなもの。驚愕の真相をご堪能ください!

編集ζ

『人面屋敷の惨劇』石持浅海 目を覆う惨劇も、殺人の手段も、ミステリーのトリックも――全てが現実的で、しかし非現実的。どちらかといえばシンプルな舞台構成であるがゆえの緻密感。ゆるぎなく構築された論理によって描かれる、人の深層を抉る狂気。『人面屋敷の惨劇』は、石持浅海さんが満を持しておくる(なんと初の!)「館」ものミステリーです。とにかく怖い! ページをめくってはいけないような…でもめくりたいような…初めて読んだとき、ずっとそんな気持ちに襲われ続けました(とくに作中の殺人手段には心底ゾッとしました)。そして、その「怖さ」は、石持作品ならではの深い人間描写にも根差しているのです。

編集P

『シンフォニック・ロスト』千澤のり子 一つのことに情熱を傾ける中学生たち、異性に対する思い、思春期ならではの心の闇。誰もが経験するあの頃を情感豊かに千澤氏が描きました。吹奏楽部内で殺人事件は起きるものの、青春小説としての読み応えに引き込まれるに違いありません。ですが、結末まで辿りついたとき、「トリックが凄い!」に選ばれた理由が分かることでしょう。さらに2回、3回と読み返せば読み返すほど明らかになってくる千澤ミステリの緻密な仕掛け。本格ミステリファンにも青春小説ファンにもオススメの1冊です!

編集Y

『虚構推理 鋼人七瀬』城平京 この設定と展開は、全く新しいトリックであり、ミステリと呼んでOKでしょう! 嘘に嘘を重ねると真実になる……虚実ないまぜの世界で繰り広げられる丁々発止のやり取りが、もう堪りません! 城平さんがお得意とする怒濤のどんでん返しの妙に、驚愕すること請け合いです。まだ未読の方、是非是非お読み下さい!

編集U

『石の繭 警視庁捜査一課十一係』麻見和史 警視庁のお膝元・新橋で発生した残虐な猟奇殺人事件。事件の翌朝、特捜本部に犯人から直接電話が入り、捜査一課十一係に所属する若き女性刑事・如月塔子がその相手をすることに。塔子と相棒の鷹野は、犯人の言葉や遺留品から捜査を進め、手掛かりをもとに推理を組み立てて、犯人を追います。しかし、犯人には真の狙いがあって……。緻密に張られた伏線は鮎川賞作家・麻見さんならでは。ラストの怒濤の展開は驚きに満ちています。塔子と鷹野が挑む新たなる難事件『蟻の階段 警視庁捜査一課十一係』も大好評発売中です!

編集X

『五色沼黄緑館藍紫館多重殺人』倉阪鬼一郎 拡散された伏線と豪華絢爛なトリック! 2段組のノベルス体裁を利用したアナグラムの数々! バカミスもここまでくるともはやアートです!

編集者が泣いた!
編集δ

『同期』今野敏 「警察小説は、時代小説に通ずる」と話す、著者の今野敏さん。その意味は、武士の矜持を、警察官が抱き続けているということだと思います。同期の公安刑事・蘇我が、連続殺人の容疑者に。蘇我を救おうと、宇田川は独自捜査を始めるが、警察組織が、壁として立ちはだかる――。刑事の矜持、同期の絆。組織人はもちろん、組織に所属されていない方が読んでも胸をうつ、警察小説の傑作です!

編集ζ

『QED 伊勢の曙光』高田崇史 刊行開始から13年! 歴史ミステリーの金字塔『QED』シリーズがとうとう完結を迎えました。本作では伊勢神宮に秘められた真実を解き明かすべく、縦横無尽に活躍する桑原崇と棚旗奈々。しかし想定もしなかった大波乱の展開に奈々は涙を流し、そしてラストでは……!? 驚くべき(そして、この時が来ないことを願っていた?)結末が本作には綴られています。読み進めていくにつれ、小生の涙腺が熱くなることしばしば。崇も、奈々も、そして小松崎もドラマの大波に揺られていきます。ファンならずとも必読の感動巨編なのですが――高田さん、ほんとうに完結しちゃうんですか? 残念すぎですよっ!!

編集P

『空を飛ぶための三つの動機 THANATOS(タナトス)』汀こるもの たくさんの少年少女が住む山奥の施設(クローズドサークル)で起きた連続殺人を描くデスゲーム作品。主人公の双子(立花真樹と美樹)を始め、出てくるキャラクターたちの暗黒っぷりは相当凄い。事件の真相もかなりのもので、さらには双子が抱える闇も衝撃的。そんな突っ走った物語なのにキャラクターたちは意外にもピュアだったりする。その爽やかさにグッと引き込まれ、ラストシーンには思わず……。

編集Y

『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』京極夏彦 10年ぶりの『ルー=ガルー』続編(1ファンとして泣きました)! 評判になった4形態同時発売(編集作業の大変さに泣きました)! 美緒、大活躍(久しぶりに美緒に会えて泣きました)! 驚愕のラスト(繋がる伏線の妙に泣きました)! どの形態で読んでいただいても嬉しいです(多くの方に読んでもらえると泣きます)!

編集U

『天山の巫女ソニン 一 黄金の燕』菅野雪虫 自らの魂を飛ばして、はるか彼方の風景や出来事を見ることができる〈夢見〉の力。主人公の少女・ソニンは赤ん坊の時に力を見込まれたものの、十二歳で「見込み違い」として故郷に帰されてしまいます。しかし彼女はへこたれません。まっすぐに、ひたむきに、自分にできることを探します。やがてソニンは、王子・イウォルとの出会いにより、新たなる冒険に挑むことに! 彼女の真摯さにふれて周囲の人々が心動かされていく様子に、思わず涙しました。

編集X

『キョウダイ』嶋戸悠祐 悲惨な運命を背負ったキョウダイ、病弱な母に見捨てられ、義父に虐待を受けるも二人は励ましあい、そして力強く生きていく様に涙します。二人の運命はいかに……。

編集者が太鼓判!
編集δ

『燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿』篠田真由美 17年にわたって刊行された「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズがついに完結! 桜井京介を襲った20年前の大惨事、そして実家である久遠家のルーツ――。これまでに提示された謎が全て明かされます! シリーズ「最厚」、大好評の最終作を、未読の方は、ぜひともお手にしてください!

編集ζ

『カンナ 出雲の顕在』高田崇史 ドラマは大きく動きます! アクションはいよいよ冴えわたります! さらなる日本史の謎には目を瞠ります!! 歴史アドベンチャーシリーズ「カンナ」の第8弾は、いよいよストーリーが急展開。ラストには息をのむ波乱が待ち受けています。なにしろ舞台は出雲、謎の焦点は荒ぶる神スサノオノミコトですから、まさに高田ワールド全開! 全ての小説ファンにおすすめできる、楽しさテンコ盛りの熱きエンターテインメント小説なのです。本作の続編は、来春の刊行を目指し現在鋭意進行中(もしや、こちらもクライマックスですか、高田さん?)です。この冬はシリーズ一気読みで、あなたもぜひ熱くなってください!!

編集P

『私たちが星座を盗んだ理由』北山猛邦 恋愛小説3編とファンタジー2編を収録した短編集。優しく美しい物語で、心地がいい作品の数々ですが、全てが全て最後の1行でガツンと打ちのめされます。でもこの騙されっぷりに必ずや皆さんはファンになってしまうことでしょう。日々進化を続けるミステリ作家・北山猛邦氏のワザが光る名作集です!!

編集Y

『物の怪』鳥飼否宇 異才・鳥飼否宇さんが描く怪しいミステリ短編集。ホラー的な雰囲気もありますが、中身はしっかりとした本格ミステリになっています。“観察者(ウォッチャー)”が観察するのは、人の心の闇なのか……。読了後、心の中に怪しい炎が灯るこの作品。鳥飼ミステリ初心者も、“観察者”シリーズのファンも、必読です!

編集U

『少女不十分』西尾維新 もし、何かの理由で本書をお読みになっていないとしたら、それは本当にもったいない。西尾さんの作品を読んだことがある方にも、本書が初めてとなる方にも、自信をもってお薦めします。この本には、物語の力が詰まっています。

編集X

『密室殺人ゲーム・マニアックス』歌野晶午 ミステリー業界を震撼させた「密室殺人ゲーム」シリーズ第3弾! 本格ミステリ大賞を受賞したシリーズ前作「2.0」をさらに先鋭化させた本作をぜひご堪能ください。

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部長Z ノベルス一問一答

2011年も終わりが近づいてきました。そこで、文芸図書第三出版部部長・メフィスト編集長Zにこの1年を振り返って、総括をしてもらおうと思います!

2011年は講談社ノベルスにとって、どんな年だったでしょう。

今年もたくさんの作品が出せて、よかった! できればメフィスト賞をもっと出したかったわ〜。

因みに、2011年度(2010年12月〜2011年11月)講談社ノベルスは全部で何冊刊行されましたか?

……(手元の書類を見て数える)56冊!

講談社ノベルス・トリビアを何か教えて下さい。

講談社ノベルスの背にいる「犬」を描いて下さったのは滝田ゆうさん。そしてメフィスト賞をとったときには、シャーロック・ホームズ像がもらえます。前部長のRがロンドンで買い溜めしてきたので、編集部にまだいっぱいあります。どんどん応募して、どんどんゲットしてください!
そういえば、メフィスト賞同窓会の時、「まだもらっていない!」という受賞者が複数いらして衝撃でしたー。もちろん、その場で贈呈させていただきました!

2011年、一番の大事件は?

命が惜しいので。

……じゃ、「今だから言える」裏話は?

永遠に口に出来ません!

HPなどに載っている「発売日」に本屋さんに行っても、まだないことがありますが、どうしてでしょう?

これはお答えできます!……講談社ノベルスHPやノベルスに挟まれたしおりに掲載してある「発売日」は、取次=いわゆる問屋さんへの「搬入発売日」なの。だから実際、その日のうちに店頭に並ぶのはどうしても都内の数店舗。全国津々浦々に行き届くのにはそこから2〜3日かかってしまう、という訳。ちなみにメルマガ「講談社ミステリーの館」などでは、混乱を防ぐために、2日くらい足した日を掲載しているんです。

2012年、講談社ノベルスはこう変わる! みたいなものはありますか。

カバーを外してみてね(ハート)
その他の最新ニュースは、このHPやノベルス携帯サイト、文三ツイッターでどんどん発表します! いま言いたいことがいっぱいあるんだけど……我慢。

これまでに作家さんから言われた言葉で、心に残った一言は?

佐藤友哉さんに「Zさんは『ツンツン』ですから」って言われたことかしら〜。来年はせめて「ツンデレ」になりたいわ〜。

とりあえず140字以内でつぶやいてください。

「【拡散希望】講談社ノベルスどんどん読んでくださいメフィスト楽しみにしていてくださいメフィスト2011・Vol.3は12月6日発売よメフィスト賞応募してくださいねお待ち申し上げております単行本もよろしくねマダムJJまたの名を部長Zの崇拝者絶賛募集中こちらもお待ち申し上げておりま」

文芸図書第三出版部を一言でいうと?

るつぼ。熱いわよ。

2012年の隠し玉を教えて下さい!

言ったら隠してないじゃないの!! ……でも、あんなものやこんなもの、続々と出る予定です〜〜!! 楽しみにしててねっ!! うふっ。

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2011年度 講談社ノベルス刊行リスト

(各月作家名五十音順)

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『古事記異聞 京の怨霊、元出雲』高田崇史 『またね家族』松居大悟 『修羅の家』我孫子武丸 『#柚莉愛とかくれんぼ』真下みこと 『希望と殺意はレールに乗って アメかぶ探偵の事件簿』山本巧次 高田崇史ONLINE

11月の新刊