平世(へいせい)22年──すべての探偵行為が禁止された日本。空閑純(そらすみ・じゅん)は、17歳。両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子(ときこ)は4年前から行方不明。父の誠(まこと)は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。純は伯父の住む大阪で一人暮らしをはじめる。
母の行方の手がかりを探すなか、父母に仕事を仲介していた押井照雅(おしいてるまさ)という人物と会える機会が訪れる。数日後、押井の別邸で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見された。被害者は元探偵で〈金魚〉と呼ばれていた男だった。容疑者リストに入った純は、自ら「水の棺」の謎を解くために調査をはじめる。
純は探偵としての一歩を踏み出せるのか?
担当者コメント
有栖川有栖さんの新シリーズがついに始動! 探偵ソラの誕生前夜を描いた『闇の喇叭』と、探偵ソラ第一の事件となる『真夜中の探偵』が同日発売です。パラレルワールドミステリーとしても、主人公の成長物語としても、そしてもちろん本格推理小説としても楽しめる、このシリーズ。主人公は高校生の少女・純。実は、有栖川作品では少女が主人公というのは初めて! 今後も続々シリーズ刊行予定で、すでに第三作のタイトルまで決定しております! まったく新しい有栖川ワールドが紡ぎ出すミステリシリーズ、どうかお楽しみに!