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『狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南』輪渡颯介|講談社ノベルス

講談社ノベルス

担当者コメント

浪人左門あやかし指南シリーズといえば、怪談のじわっとした怖さと剣客たちのほのぼのした 人間ドラマ、怪異に秘められた謎を推理していくスリルが持ち味ですよね。
今回のお話は、腕は立つのにお化け嫌いな甚十郎に舞い込んだ縁談の相手が、なんと狐憑き の噂がある弓枝。甚十郎は、怖がりながらも何とか弓枝の力になろうとしますが……。甚十郎の純情一途な男っぷりに、思わず胸がキュンとする一作です!!

輪渡颯介「怪談」を語る

怪談に惹かれるようになったきっかけは?

気が付いたら無類の怖がりでした。それなのに怪談話は好きという矛盾。きっかけは思い出せません。無理に思い出そうとして恐ろしい記憶が甦った、なんてことになったら嫌なのでそれは止めときます。実際に幽霊に遭遇したことはないと思うのですが……。

輪渡さんが一番好きな(お勧めの)怪談は? また、その理由は。

怪談、と言えば小泉八雲。「耳なし芳一」「貉(むじな)」などの有名どころの他、すべての怪談作品がお勧め。その諸作品は古典に拠っているためもありましょうが、簡潔に、最短距離で怪談の肝を浮かび上がらせてくれています。

今までで一番怖いと感じた怪談は?

小泉八雲の作品の中の、「死骸にまたがった男」でしょうか。『今昔物語』に拠った非常に短い話で、あっさりとしていますが逆に色々と想像を掻き立たせてくれます。自分を八つ裂きに向かう女の背中に乗らなきゃいけない状況。私なら泣きます。

怪談に登場する幽霊の中で、一番会ってみたいのは? その理由は?

幽霊になど会いたくありません。
怪談の中には恐怖を感じさせない幽霊も存在しますが、それでも怖がりの私はお断りです。すべての幽霊に対して面会を謝絶します。。

一番会いたくない幽霊は? その理由は。

ですから、すべての幽霊に会いたくありません。本当に怖がりなんですから。

オリジナルの怪談はどのように思いつくのですか?

奇を衒ったものよりオーソドックスなものの方が怖いと思うので、極端に考えをひねくり回すことはしません。端緒さえつかめれば、自分の場合勝手に妄想が広がっていきます。怖がりですから。

『浪人左門あやかし指南シリーズ』で、お気に入りのキャラクターは?

怖がりの作者を見事に反映している苅谷甚十郎ですね。当初の予定では怪談好きの左門の影響で徐々に怖がりが直っていくはずだったのに、シリーズが進むにつれてますます酷くなっている点がなんとも気の毒で。

お勧めの怪談スポットはありますか?(例 将門の首塚など)

真面目な話、そういう場所に行くことはお勧めできません。出るところには本当に出ますから。行くなら自己責任でお願いします。華厳の滝とか東尋坊とか、同時に観光スポットになっているところで十分では。将門の首塚は止めといた方がいいと思います。

もしお勧めの怪談映画、落語、歌舞伎などがあれば教えてください。

私は深夜放送のラジオから予期せず流れてくる怪談話がもの凄く怖いと思っているので、視覚情報が少なくても落語は侮れません。「四谷怪談」「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」など傑作も多いので、夏の就寝時などに聞けば涼しく感じられてよろしいかと。

今後の作品予定、書きたい作品など2010年の抱負を。

近いところでは3月刊の予定で『百物語』の文庫が出ます。その後は……、とにかく読者の方に怖がって頂けるような怪談が書きたい、というのが私の望みであり、目標です。怖い話を考え続けて2010年は過ぎることでしょう。

輪渡颯介プロフィール

1972年東京生まれ。明治大学卒業。
『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、講談社
ノベルスよりデビュー。
他に同シリーズ『百物語』 『無縁塚』(講談社)を上梓。

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