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『探偵小説のためのゴシック「火剋金」』古野まほろ|講談社ノベルス

講談社ノベルス

衆人環視の中鉄壁の匣から消えた首飾り!! 「探偵小説」シリーズ、ついに最終巻『探偵小説のためのゴシック「火剋金」』古野まほろ

担当者コメント

エチュードから始まった「探偵小説」シリーズもついに最終巻。
コモとあかねの友情の結末は!? 
コモの運命は!? 期待を裏切らないラストシーンに、担当者も感無量です。

著者コメント

探偵小説・相剋シリーズ構成作品のそれぞれについて申し上げれば──
筆頭作は解りやすさを、第二作は執拗さを、第三作は借景を、第四作は詩情を、そして最終作はラストシーンを最大の眼目としてはいますが、目的はただひとつ。『手続的正義を淫猥に語ること』。本格探偵小説の『本格』は手続的正義を、『探偵』は淫猥さを意味すると解釈しており、それを実践したつもりです。前者が有栖川エコールを、後者が黒い水脈を指向する。
これを基盤に、前衛的な実験を様々に行うこと。
それがこのシリーズの日本本格探偵小説史における意義でしょう。手続的正義を信じ、実体的正義を信じ、そして本格探偵小説の神聖さを信じるすべての方々には、それが必ず御理解頂けたものと確信しています。だから私は言うのです。
時代は確実に動いている。正義は必ず実現されましょう──。
最後にひと言。
聖なる物を犬に與ふな。恐らくは足にて踏みつけ、向き返りて汝等を噛みやぶらん。(MATHIEU 7,6)

プロフィール

11月25日生まれ。射手座。酉年。血液型O型。
第35回メフィスト賞を受賞した『天帝のはしたなき果実』で宇山日出臣氏(故人)、有栖川有栖氏に絶賛され、デビュー。各方面から様々な注目を集めている。

担当者コメント

「あけましておめでとうございます。
競技かるた実力制第十代名人の水里あかねです。」

「版元さんは一作でも切るゆうとったけんね。有栖川エコールの勝利や。」

「ほんまや、これも夕子のお師匠先生のお陰やね。みんなもよう頑張った。」

「せっかくの機会なので、本編ちゅうで言い残したことがあったら。」

「ほしたらいうけど、あたしは『インヴェンション』が一番演ってて楽しかったなあ。あたし本格原理主義者やけん、厳密なルールの設定と、それだけを基にしたロジック。最近ちょっと無い本格劇と違う? ファンタジーとロジック。その幸運なマリアージュや。」

「ルールの設定が複雑すぎる、御都合主義的やいう指摘もあったけど?」

「ほらあたしの父さん弁護士やん。あのルールはな、法学系に響く書き方しとるんよ。」

「実はあたしも『インヴェンション』好きなんよ。台詞多いし。運転もできたし♪」

「檜会先輩はずるい。『エチュード』でも『インヴェンション』でも美味しいとこ持ってっとる──楓はどうなん? いちおう楓とあたしは全作品に出演しとるけど?」

「『ノスタルジア』やね。あたし脚本で獄霊島、って舞台の名前読んだとき、作者の正気を疑うた。けど作者思いこんだら編集君のゆうこと聴かんけんね。結果的にもろ横溝なんやけどもろ作者の味も出とる。あたしの青春物語もよう書いてくれたし。いまどき読者への挑戦状、3回も4回も出すなんてアナクロなんやけどなあ。作者、時代に逆らうけん。」

「あの、あた、あたしは……」

「あかね落ち着いて。いちおう主演女優やけん。」

「ぜいはあ。あたしあがり症だから……あた、あたしは実は『ヴァリエイション』が好きなんだ。かるた対決もばーん、て感じだし、作者の性格の執拗さ、っていうか、あそこまで疑似論理を徹底的に突き詰めるのはある意味異常というか、執念というか……」

「作者は、いちばん苦労したんは『エチュード』やってゆうとるよ。」

「へー何でやろ。」

「シリーズ物の初編は世界観描かんといかんけん。作者設定短うするの苦手なんよ。」

「でも『ヴァリエイション』からは安定しとるね。夕子がボケで、あたしがツッコミゆうんが固まってきたけん。あのコロンボ外田警部があそこまで伸びるキャラとは思わんかったけど。『ゴシック』ではまた美味しいとこ持ってっとるしな、あのニセ加藤武は。」

「あの、あのね、何を今更なんだけどね、シリーズの舞台はほとんど現存するんだって。住田温泉本館に熟田津城、県警察部独立庁舎に大街道。モデルになった土地の皆さんに読んでほしい、その他にお住まいの読者にも是非ノベルス片手に旅行してほしいって作者いってたよ。絶対損はしないからって。作者モデル県無茶苦茶愛してるみたいだから。」

「あとあたしらの実予弁な、これも苦労したらしいんよ。辞典やDVD買うて。」

「えっ作者モデル県出身のひとと違うん?」

「それは次のハードカヴァーで明らかになるそうや。嘘か本当か当てにはできんけど。」

「えっと、あの……あたしたちこれで千秋楽、っていうか、役者馘(クビ)?」

「出してもらえるかも知れんよ、陰陽師安倍和泉の相生シリーズゆうんがあるらしい。」

「ほしたらまた、お会いできることを楽しみにしつつ、これまでの御声援御愛顧、」

「本当にありがとうございました!!」

「あたしはどうなるんよ!! 俗物が!! 陰陽のちからを、その瞳に灼きつけるが
(幕)

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イラスト/ゴツボ×リュウジ

滋賀県出身の漫画家。2000年に第9回エース新人漫画賞奨励賞を受賞しデビュー。現在『月刊少年エース』で『アニコイ』を連載中。漫画以外にも小説挿絵やTシャツデザイン、CDアートワークなども手がける。

探偵小説シリーズ&天帝シリーズ作品紹介

探偵小説シリーズ

「天帝」シリーズと対をなす「探偵小説」シリーズ。それはまごう事なき本格ミステリであり、美少女陰陽師が活躍する物語であり、少女たちが再生していく物語でもある。

『探偵小説のためのエチュード「水剋火」』
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美少女陰陽師 対 怨霊!新時代青春ミステリの扉が今開く!!
『天帝』シリーズの古野まほろ待望の新作登場!!

私は人殺しだから――。過去の過ちのため帝都から逃げるように転校した水里(みなざと)あかね。彼女を待っていたのは、南国・実予の陽光と、謎めいた美少女・小諸るいかだった。周囲の温かい歓迎に心癒されたかに見えたあかねの目の前で、不可解な爆発&転落事件が。超絶推理で犯行を解明し、陰陽の力で事件に潜む怨霊の姿を暴き出す小諸(コモ)。論理と因果と美を兼ね備えた最強の陰陽師探偵登場!!

『探偵小説のためのヴァリエイション「土剋水」』
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『探偵小説のためのヴァリエイション「土剋水」

古式ゆかしい温泉で突如起こる3人殺し!犯人は……あたし!?

「水里あかね、殺人未遂容疑で緊急逮捕する」住田温泉に響く冷たい声。嘘!!あたし人殺しなんかじゃない。それとも不思議系妄想が現実になっちゃったの!? 誰か助けて!!競技かるたタイトル戦をめぐり発生した陰惨な3人殺し。でも大丈夫。きっと天才美少女陰陽師(自称)のコモが超絶論理探偵術で助けてくれ……ってコモ、コモ何するの!?死刑もコモのべろちゅうも、どっちも駄目ぇぇ――――!!

『探偵小説のためのノスタルジア「木剋土」』
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『探偵小説のためのノスタルジア「木剋土」』

絶海の孤島にインクブルーの血飛沫!! 美少女陰陽師――死す! 陰惨な見立て殺人を貫く論理の矛! これぞノスタルジア!!

獄霊島――そこは世界から忘れられた瀬戸内の孤島。ふたつの旧家の澱んだ血脈が、銀山の跡目を争うとき、和歌の調べとともに、悲しき連続殺人劇の幕が上がる!呪われた遺言、謎の大量殺人鬼、そして不可解な見立て。怨念の島に隠された忌まわしい因果とは……ってそんなことよりコモが死んじゃった!! コモが犯人に負けた!? もう、べろちゅうができないなんて、そんなのいやぁ!!

『探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」』
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『探偵小説のためのインヴェンション「金剋木」』

隔離された廃校に鳴り響く、論理と謎の創意曲(インヴェンション)!
入れないはずなのに……絶対に入れたはずないのに……どうやって廃校(ここ)で殺されたの!?

あかねたちが迷い込んだ樹海の廃校――そこには月光のような兄妹たちが住んでいた。彼らを呪う伝染病とは?彼女らを嬲る諚とは?被害者の侵入をも拒む密室で、杭打たれた少女は永遠の眠りに沈み、血の饗宴は続く!
ごめんコモ……あたし……穢されちゃった……。最期の口吻まで、あとちょっと……。

天帝シリーズ

メフィスト座談会にて、前代未聞の物議を醸した問題作『天帝のはしたなき果実』から始まる一連のシリーズ。そこに描かれた異形の青春ミステリの中に、超然と佇む論理に魅了される者は多い。

『天帝のはしたなき果実』
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『天帝のはしたなき果実』

第35回メフィスト賞受賞作

めくるめく知の饗宴、物狂おしいまでの超絶技巧。メフィスト賞、いやノベルス史上空前の本格ミステリ。――宇山日出臣(元講談社ノベルス編集長・故人)
90 年代初頭の日本帝国。名門勁草館(けいそうかん)高校で連続する惨劇。子爵令嬢修野まりに託された数列の暗号を解いた奥平が斬首死体となって発見される。報復と解明を誓う古野まほろら吹奏楽部の面子(メンツ)のまえで更なる犠牲者が!本格と幻想とSFが奇跡のように融合した青春ミステリ。

中井英夫の『虚無への供物』に人生を狂わされ、新本格推理をプロデュースした宇山日出臣。奇跡的なめぐり合わせにより、本書はその名伯楽からの最後の贈り物にして最大の挑発となった。これこそ、虚無なる青春への供物。真正の本格にして破格のミステリ。この美酒に天帝は必ずや微笑む。――有栖川有栖

『天帝のつかわせる御矢』
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『天帝のつかわせる御矢』

この愛すべき異形さは触発的なのだ。――竹本健治氏推薦!
超Q級豪華寝台列車で密室殺人劇が幕を開ける……

戦下の大陸を逃れ東京へ向かう超豪華寝台列車、環大東亜特別急行『あじあ』。乗客16名のなかに世界的間諜『使者』の存在もあるという。荘厳かつ絢爛を極めた客室で公爵夫人のバラバラ死体が!当該列車に乗車していた頸草館高校3年古野まほろと柏木照穂の推理は?

『天帝の愛でたまう孤島』
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『天帝の愛でたまう孤島』

「厳然たる!言語と!衒学の!限界突破!お見事としか言いようがない。」魔夜峰央氏推薦!
「急いで読まなきゃ、まほろに追いつかない。」大森望氏推薦!

三部作、というのが夢でした。つい6日前までは、果たすべきそれが命題だったからです。
終わりました。
そしていまこそ勅許を得、僭越ながら申し上げましょう。
この古野まほろ、正統なる後継者、であります。――古野まほろ

『天帝のみぎわなる鳳翔』
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『天帝のみぎわなる鳳翔』

「実を言えばまほろは正しい。おちゃらけた饒舌の裏に、鋼のような文章力。“小説の魔術師”久生十蘭を思わせるおちゃらけと冷徹の混交こそ、この作家が小説の正道を歩んでいることを示すものだ。」――巽昌章(第60回日本推理作家協会賞 評論その他の部門、第7回本格ミステリ大賞 評論・研究部門受賞者)

特殊任務を帯び、空母『駿河』に乗船することになったまほろ。そこで待っていたのは、ミステリ史上最大級の2836人殺し! 巨大な鉄の密室に潜む悪意が彼を襲う! 空前絶後の『天帝』シリーズ最高傑作、ついに登場!!

『古事記異聞 京の怨霊、元出雲』高田崇史 『またね家族』松居大悟 『修羅の家』我孫子武丸 『#柚莉愛とかくれんぼ』真下みこと 『希望と殺意はレールに乗って アメかぶ探偵の事件簿』山本巧次 高田崇史ONLINE

1月の新刊