作家を志したきっかけを教えてください。
色々理由はありますけど、「お金を稼ぐ手段」として、やりたいと思ったものが、小説家以外になかったから、というのが一番大きな理由ですね。もちろん、やる気があっても才能がなければ続かない職種ですから、三十歳まで頑張って、無理なら諦めようと思っていました。
デビューしてから今までで、一番思い出に残っていることは何ですか。
受賞が確定した後、編集さんから打ち合わせをしましょう、と言われる訳ですが、「東京の○□駅(その出版社から一番近い駅)まで来て下さい」と言われて、パニックになりました。東京なんて、修学旅行でしか行った事がありませんでしたから……。
影響を受けた作家・作品を教えてください。
森博嗣さんですね。作品はもとより、思想や生活スタイル、そのすべてに感銘を受けました。
文章に関しては、野梨原花南さん。個人的には、この人の文章が日本一綺麗だと思います。
物語の内容については、三津田信三さん。高いレベルでホラーとミステリーを融合させていて、凄いと思いました。
新刊が出たら必ず買う、というのはこの三人ですね。
執筆スタイルを教えてください。
普通にパソコンで、ワードで書いています。フローチャートが決まって時間が空くと、「よしやるか」という感じで、一作につき一週間ぐらいで書き上げるようにしています。
執筆中、かかせないアイテムは何かありますか。
気分転換用にパソコンのソリティア、これがないと書くどころかゲラ作業も出来ません。
今回の『404 Not Found』を書くことになったきっかけを教えてください。
ストーリーは、主人公の自殺から始まる訳なんですが、自殺って、究極の自己否定じゃないですか。自分の命を、自分で奪う事を、自分で決める。それすら出来ない世界、ってのを描きたかったんです。
どんな読者に読んでほしいですか。
私もそうですけど、「ラストでご都合主義によってストーリーを無理矢理ハッピーエンドに纏めてしまう」という小説を読むとイラッとするタイプの人には、うってつけなんじゃないでしょうか。
『404 Not Found』は、一言で言うとどんな小説でしょうか。
「違う」ですね。自分と他人は当然「違う」んですけど、中には何か、共有できるものもある。でも、人によってその共有したものの価値は違うし、どう扱うかも違う。そうした事を、擬似的に表現した物語だと思います。
今後挑戦したいテーマ、舞台などあったら教えてください。
とりあえず、今考えているのは『リライト』(早川書房)の続編です。
2013年の刊行計画を教えてください。
まず、本作が二月に刊行。あと、時期は不明ですが新潮社さんから、とある現象をテーマにした作品が一作(こちらはもう執筆済み)。そして、恐らく夏頃に早川さんから『リライト』の文庫化で一作、さらに(書ければ)秋に『リライト』の続編がでる予定です。とりあえず「出す」のが決まっているのはこの四作で、他にも角川さんからホラー文庫で一作、今年中に出したいと言われています(こちらはまだ書いてません)。
読者の方々に一言!
『404 Not Found』、最後まで読むと、多分「裏切られた!」みたいな気分になると思いますが、まあ、読書って気持ち良くなる為だけのものじゃないよね、みたいに捉えてくれると嬉しいです。