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『プライベートフィクション』真梨幸子|講談社ノベルス

講談社ノベルス

『プライベートフィクション』

著者:真梨幸子

発売年月日:2012/9/5講談社ノベルス

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ブレイクした作家の過去に秘められた「女の悪意」──
話題作『みんな邪魔』に連なる「イヤミス」の決定版!

フリーライターのなっちゃんは、編集者の依頼にいつでも応えられるよう、多くのアイディアをパソコン保存していた。「自由研究」と名づけられたファイルには、少女漫画『青い瞳のジャンヌ』に熱中した頃のことが綴られている。当時の続きを書くうちに過去が甦り、現代の交友へと繋がって……。そして重大事件が発生! 虚構に彩られたかのような「プライベート」は真実、それとも夢? ブレイク中の著者による女の欲望が蠢く、究極の作品集!!

著者コメント

 日本人女性の平均寿命が、世界一から転落したというニュースが最近ありました。それでも、平均寿命は86歳弱。私がこの年齢まで生きるとして、およそ38年。これは、長いのか短いのか。では、38年前はどうだったのか。
 今から38年前といえば、1974年。つまり昭和49年です。私は、少女マンガとフィンガー5に夢中な小学校4年生でした。あの頃は、一日一日が妙に長く感じられ、一年という期間ですらとてつもなく長いモラトリアムのように感じたものです。あの頃に戻ってみたいか? と質問されれば、「ノー」と答えるでしょう。楽しくなかったわけではないのですが、あの頃を思い出すとき、苦い記憶しか蘇らないからです。どうも、苦い記憶のほうが強く深く脳にインプットされているようで。そういえば、母が語る昔話も、苦労した話ばかりでした。伯母も叔父もそうでした。しかも、母たちの昔話には脚色が施されていて、子供の私にも分かるような眉唾な尾ひれが沢山ついていました。中には明らかな作り話もありました。本来は愉快な出来事であったにもかかわらず、悲惨な出来事になっていたり。これは、性格によるものなのか、それとも育ってきた環境によるものなのか。いずれにしても、母たちの話がおもしろかったのは確かです。嘘か真か。そんなことは気にならなくなるほどに。
 新刊『プライベートフィクション』も、そんなふうに楽しんでいただけたらと思います。虚構か現実か。ま、どっちでもいいや。そんな感じで。

担当者コメント

『殺人鬼フジコの衝動』の大ヒットでブレイク中のメフィスト賞作家・真梨幸子さんの新作には、昔、少女漫画『青い瞳のジャンヌ』に熱中した小学生たちが登場します。そうこの作品は『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する「青い六人会」を描いた話題作『みんな邪魔』の過去を描いているのです。作中での出来事は著者の体験が元に? 登場人物にはモデルがいる? それとも、すべて創作? 「イヤミス」の旗手となった著者は様々な趣向を凝らしています。もちろん「ドロドロ度」もより濃厚に! 読みどころ満載の作品集をぜひともご堪能ください!!

9月の新刊

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