『三人姉妹殺人事件』赤川次郎
朝目覚めると部屋には知らない美女の死体が!? 不実の罪で逃亡する男、ひょんなことから事件に巻き込まれていく佐々本三姉妹、捜査を始める大貫、井上、国友……。赤川次郎氏作家生活35周年を華々しく飾る二大シリーズ夢の共演!
『三姉妹と忘れじの面影三姉妹探偵団(22)』赤川次郎
海外出張の父を見送った空港で、宇佐美忍という女が長女・綾子を我が子だと言い張り連れ去ろうとした。間違いを認めない女を知り合いの白髪の紳士が引き取り解決したが、翌朝、忍が死体で発見された。なぜか殺害容疑で逮捕状が出た綾子は銃を持つ男に拉致され行方不明。闇の住人たちが彼女に目をつける理由とは? 姉の危機に夕里子、珠美が闇社会へ突っ込んでいく!
今ほど、ユーモアが必要とされている時はあるまい。ユーモアとは、ふざけることでなく、現実をちょっと離れて眺めることで、その辛さや苦しさを柔らげることだからである。 この書下しには、「三姉妹探偵団」シリーズの佐々本家の三姉妹、綾子、夕里子、珠美と、「四文字熟語殺人事件」シリーズの大貫警部、井上刑事、向井直子がみんな登場する。書下しというめったにない機会だけに、普段顔を合せることのないメンバーたちに「一期一会」の出会いを用意した。しかしそれはあくまで「つけ合せ」で、メインの料理はある運命のいたずらで犯罪者になってしまう女たちの物語だ。 「運の良し悪し」はあっても、人にはそれを克服する力がある。そう感じられる爽やかな結末に微笑んでいただけますように……。
赤川次郎(あかがわ・じろう)
1948年福岡生まれ。1976年に『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。 「四文字熟語」「三姉妹探偵団」「三毛猫ホームズ」など、多数の人気シリーズがある。クラシック音楽に造詣が深く、芝居、文楽、映画などの鑑賞も楽しみ。長年のミステリー文学への貢献により、2005年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞。2008年には著作が500冊を突破するという偉業をなしとげた。
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僕がまだ「読者」だった頃、最初に出会った赤川さんの作品が「大貫警部」だった。抱腹絶倒しながら「うまいー」と舌を巻いた。軽妙洒脱な作品をいとも楽々と書いてしまう赤川さんこそ、天才の中の大天才だと思う。
明るく愉快な殺人の物語――ユーモアミステリは根本に矛盾を抱えた存在だ。その矛盾を打ち破る力は、実は悪戦苦闘する主人公の「真面目さ」の中にしかあり得ない。全力で事件に挑み真剣にズレまくる三姉妹の奮闘を笑え!
赤川作品の代表的キャラクターの佐々本三姉妹と大貫警部が共演するなんて、誰が予想できたでしょうか。作家生活35周年を記念して執筆されたこの作品、共演だけでも驚きなのですが、ミステリーとしての驚きも見逃せません! 社内ではすでに何人かが作品を読んでいます。そして全員が全員、あるシーンでビックリさせられました。赤川作品の醍醐味でもある、数ページ後が予想できないくらいの展開が全編にわたり続きます。ミステリーの面白さを素直に楽しめる作品。内田康夫氏も絶賛のこの作品をぜひご覧ください!
赤川氏の人気シリーズ最新作が満を持して登場。何故か殺害容疑で逮捕状が出た長女・佐々本綾子が、何者かに拉致され行方不明!? 次女・夕里子は入院!? 三女・珠美は銀行強盗犯の人質に!? 「!?」マークばかりで表現してしまうほど三姉妹は危機的状況を迎えます。でも彼女たちがこの難局をどう乗り切っていくのか、かなり意外な展開が用意され、とても読み応えがあります。また個人的には“おっとり”綾子の行動がツボに入りました。これぞユーモアミステリーの醍醐味!東川篤哉氏も絶賛のこの作品をぜひご覧ください!
佐々本綾子 長女。大学生。天然ボケ気味でおっとりした性格。
佐々本夕里子 次女。高校生。亡き母親に代わり、三姉妹をまとめるしっかり者。
佐々本珠美 三女。中学生。お金のことに厳しいちゃっかり者。
国友刑事 夕里子の恋人。
大貫警部 荒唐無稽な推理と無茶な捜査で名を馳せる(?)警視庁一の名物男。
井上刑事 大貫の部下。大貫のとんでもない行動にたびたび翻弄される。
向井直子 井上の恋人。頭が切れ、たびたび事件解決に貢献。
パソコンなどでの執筆がほとんどのこの時代、赤川先生は今でも手書き!(「赤川次郎」と印刷された専用の原稿用紙を使用されています)。その原稿もほとんど修正がなく、とても綺麗。先生の頭から文章が湧き出てくる様子が原稿用紙から見てとれます!
常に10作品前後の連載を抱え、さらには書き下ろし作品『三人姉妹殺人事件』も執筆された先生。異なる連載作品を次から次へと展開させ、翌月にはその続きを書かれるという頭の切り替えの凄さにただただ脱帽。そして、ほとんど休載されていないという事実も!
ヨーロッパでの取材旅行中、日中は様々な場所を訪問、夜はホテルで原稿執筆、翌朝にはFAX送付という驚異のスケジュールで毎日を過ごされる先生を目撃! また東京の仕事場でも土日、年末年始を問わず、作品を生み出されています!
赤川先生といえばお肉好き。ヨーロッパ取材旅行でのこと、肉料理中心で同行編集者たちの食欲が減っていく中で、先生の食欲は落ちることはありませんでした。毎晩の執筆で相当のスタミナが消費されていったに違いありません!
広島にて
年に2回行われるファンの集いで、様々な催しを通じて参加者と交流を深められる先生。イベント後にはサイン会も行われ、一会場あたり150〜250人くらいの方にサインを求められます。さらには写真撮影のリクエストも多数。ずっと笑顔でいらっしゃる先生の凄さに感動!
1991年
<ロングランヒットシリーズ紹介>2011年4月現在
……など多数!
三姉妹探偵団シリーズ
『三姉妹、清く貧しく美しく 三姉妹探偵団(21)』 講談社ノベルス講談社文庫
『三姉妹、ふしぎな旅日記 三姉妹探偵団(20)』 講談社文庫
『月もおぼろに三姉妹 三姉妹探偵団(19)』 講談社文庫
『恋の花咲く三姉妹 三姉妹探偵団(18)』 講談社文庫
『三姉妹、初めてのおつかい 三姉妹探偵団(17)』 講談社文庫
『三姉妹、呪いの道行 三姉妹探偵団(16)』 講談社文庫
『ふるえて眠れ、三姉妹 三姉妹探偵団(15)』 講談社文庫
『心地よい悪夢 三姉妹探偵団(14)』 講談社文庫
『次女と野獣 三姉妹探偵団(13)』 講談社文庫
『死神のお気に入り 三姉妹探偵団(12)』 講談社文庫
『死が小径をやってくる 三姉妹探偵団(11)』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(10)父恋し篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(9)青ひげ篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(8)人質篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(7)駆け落ち篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(6)危機一髪篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(5)復讐篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(4)怪奇篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(3)珠美・初恋編』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(2)キャンパス篇』 講談社文庫
『三姉妹探偵団(1)』 講談社文庫
四文字熟語シリーズ
『輪廻転生殺人事件』 講談社ノベルス
『女優志願殺人事件』 講談社ノベルス講談社文庫
『狂喜乱舞殺人事件』 講談社文庫
その他
『メリー・ウィドウ・ワルツ』 講談社文庫
『二重奏』 講談社文庫
『おやすみ、夢なき子』 講談社文庫
『手首の問題』 講談社文庫
『秘書室に空席なし』 講談社文庫
4月6日発売『三姉妹と忘れじの面影 三姉妹探偵団22』著者:赤川次郎
4月6日発売『バミューダ海域の摩天楼』著者:柄刀一
4月6日発売『完全版 地獄堂霊界通信(7)』著者:香月日輪
4月6日発売『天命龍綺 大陸の魔宮殿』著者:獅子宮敏彦
4月6日発売『三人姉妹殺人事件』著者:赤川次郎
4月27日発売『黄金(きん)の騎士団』著者:井上ひさし