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『ある殺人者の回想』勝目梓|講談社ノベルス

講談社ノベルス

『ある殺人者の回想』

著者:勝目梓

発売年月日:2013/3/27単行本

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生きているかぎりずっと
あの人のことを想っていたかった――
「許されない二人」が想いを通わせたのは52年にわたる「年に一度」の往復書簡――
激動の昭和と、時代に翻弄された「やるせない男女」を描いた、
勝目梓の集大成ともいえる渾身作!

 76歳で二度目の殺人を犯した緒方一義は刑務所で自らの過去を振り返る――。九州の伊万里湾に浮かぶ島で生まれ、炭坑夫をしていた緒方は、昭和22年、隣家に募集坑夫として越してきた浦川の妻、久子に憧れ、ほのかな想いをいだく。だが浦川が緒方の母と無理やりに関係を持ったことから、緒方は浦川を殺してしまう。刑務所から久子にお詫びの手紙を出した緒方の元に届いた「あたしは緒方さんをうらんではいません」という返事。出所して52年後、久子への変わらぬ想いが、緒方を再び罪へと導く……。

担当者コメント

惚れあっているからこそ、会えない男女――。メールやSNSで簡単に連絡がとれる現代からすると、信じられない状況かもしれません。しかし、この小説の主人公の男女には「好いた、惚れた」よりも「人としての道」が優先されたのです。手が届くとわかった宝物を諦めることはどれほど辛くて、大変なことか。そしてそこから見えるものは何なのか。読み終えると、胸に強く迫ってくるはずです。そして300冊を超える作品を書いてきた勝目梓さんが、今、伝えたいことがここにはあります。キャリアの集大成ともいえる渾身の作品です。ぜひともご堪能ください!

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